生物学の教科書を手に取るのは
久しぶりです。
目覚ましい進歩によって、
ここまで明らかになったのかと
感銘を受けました。
図も綺麗で、続編が楽しみです。
この本は従来の日本の生物学の教科書とは全く異なり次のような特徴を持っています。(1)各章の初めにあるイントロダクションが面白く、本文を読もうという意欲がわいてくる。(2)どのページも写真、イラストが大部分を占めしかも非常に分かりやすい(図だけ見ていても理解ができるくらい図版がよくできている)。(3)各所に新しい知見が挿入されている(第9版では付属のDVDに新しい章が増補され、さらに最新の知見を学ぶことができる)。
最近、この本のいいとこ取りをして、面白そうなところだけ翻訳出版されています(アメリカ版大学生物学の教科書)。しかし、動物生物学、生態学と生物地理学などもぜひ読んでいただきたい。MITでは全学生がこの本を学んでいるそうです。日本の教科書はあまりにも薄すぎます。私も4年前にこの本の第7版を翻訳して理工系出版社に当たってみましたが、日本ではこんなに分厚い本は売れないといって断られました。心ある日本の学生さんぜひ原本で読了されることを期待します。
女が基本形で男は女から作られる、とか、男は女よりも弱い、とか、正直かなり前から言われていることなので、そういう意味での新鮮さはない。
女からも「できそこないの男と言われてもねえ、だからっていまさら何なのよ」と言われるのがおちだろう。
でも、そもそもどういうふうにして女から男が作られるのか、というDNAレベルでの科学的なロジックを素人でも追うことが出来るようにわかりやすく記述されているので、そういう意味での知的好奇心は満たされる。
最後のエピローグで「科学はHOWは語れてもWHYは語れない」という禁を破って「射精感」と「加速覚」との関連性の指摘をするところなど、これはまあ、ちょっと詩的に冒険しすぎか、という気がしないでもないが、ご愛嬌ということで。。。
この本の評価は難しい。☆2つではかわいそうなので、寸評を。 「教科書」と名うっているが、その内容は高校の程度をはるかに 超えている。高校で教科書として使うには、教師も生徒も困り果てるだろう。 しかし、読者層を広げればこの本は画期的な書物なのである。 分子生物学、医学、昆虫、生態系、発生、進化、等々生物学一般に 興味がありこれまで、ブルーバックスや岩波新書を断片的に 読みあさってきた人。そう貴方。 一度自分の知識をまとめて見たいと思いません? そんなとき、どうしていました?私は高校の生物チャートを 通読していました。そして、ため息をついていたわけ。 「著者が悪いんではない。指導要綱が悪いとしか思えない」 「これでは、高校生が生物を生き生きとした動感のある 学問として捉えることは難しいだろうな」・・と (1)この本は一応「生物学(と呼ばれるもの)」を高校までに 履修した生徒が大学教養部で新しく生物学を学ぶ際にふさわしい 教科書。 (2)あるいは、生物学の特定の領域に数十年携わってきた人間が 自分の知らない生物学を確認するための読み物 (3)先に述べた「生物学」の好きな人々のための指針 もちろん、著者の意図するように、この本を参考に 今後高校生物学が書き換えられることを期待して 読み終わるのも良い。 一つの提言であるから、安易な批判は避けたい。 提言にしてもこれほどの内容をまとめきれる力量は、普通の 書き手にはなかなか期待できないからだ。 そのような場ができると、今後の高校生物学教科書の内容を討議する にあたって今までにはない深みが出てくると思えわれる。 この書物に匹敵するレベルの「違った形の提言」が今後出て来ること を大いに期待したい。
素晴らしいにつきる
科学は文字を追っかけるスタイルの勉強では退屈である。 過剰に受験を意識して難しい受験問題を解いてないだろうか? 過去問も大切だけどビジュアルで流れもつかんで欲しい。 価格も1000円以下という嬉しい値段!なんとCPが高いのだろう!! ビール2本分のお金であなたはどこまで生物を楽しみますか?
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