この作品は、”真剣な大人の遊び”です。
一歩間違えば全体が崩壊し、最終回を迎えねばならない、超絶的なバランス感覚が”水曜劇場”の有能なスタッフにはあった、ということです。TBSの鴨下信一氏は水曜劇場を”祭り”と表現し、その回を誰が演出したのか分からないほどだと表現しました。その狂騒は、TBS全社が社運を賭けて”遊んで”いるという鬼気迫る試みの連発で、人情ドラマにギャグを交える程度なら「時間ですよ」で散々やった、心にしみる静寂のドラマなら「寺内貫太郎一家」で結実を見た、普通のドラマを観たければ他に幾らでもある・・・「ムー一族」の取るべき道は一つだろう。過激な実験の突き詰め・・・スタッフに迷いはなかったはずです。
元TBSの有能な演出家達が独立プロを率いていたあの頃、局に残った久世光彦氏をはじめ大山勝美氏など、名物プロデューサー・ディレクターの、これはマニフェスト(宣言)だったと私は信じて疑いません!!
まさに第一次黄金期の郷のシングル集。
特筆すべきはやはり、当時の音源でのオリジナルカラオケの収録。
当時、主に五木ひろしに詩を提供していた山口洋子が彼に綴った
「逢えるかも知れない」は、彼のシングル曲の中でも異色中の異色。
演歌色の強い楽曲を彼なりに昇華し表現したこの曲は歴史的シングルだろう。
この後一切、彼女が郷に詩を提供していない点を考えると、
当時、郷がいかに様々な事にチャレンジしていたか伺える。
他の方も書かれてるが、楳図かずおが綴った「寒い夜明け」も鮮烈だ。
「渋谷で買った エナメルのブーツ 擦り減ってしまい…」の下りは、
今聴いても不思議と新鮮。
「ミルクの好きな 子猫を抱き締めて…」の「恋の弱み」
当時の郷の路線から思うと、ロック色強いある意味冒険だったが、
見事に表現している。
彼に対し誰もが思い描いていた「偶像」を、ことごとく裏切った時代のシングル集…
そこには「男の子女の子」や「わるい誘惑」のような青春歌謡から脱却しようとする意欲が伺える。
彼の時系列の中でも最も輝いていた時代のシングル集とも言えるだろう。
第3部終了後に、未発表の第4部冒頭30ページ分の 鉛筆書きのネームがついています。 第4部第1章 イタリアン・ブルー イタリアンブルーという言葉が16世紀末に存在したかはさておき ファンにとっては、この30ページのためだけでも、この本を一冊購入する値打ちは 十分にあります。 今を去ること10年前、このような感じでエルドを再開しようと 構想されていたのかと思うと、何度も何度もこの30ページを 繰り返して読んでしまいました。 いつまでも元気で若いオリビエや、いつまでも美しいクレメンテ公爵を 想像して、また、心配性のマリオット・ローランやら 出番が少なかったエロール、アーサー、ビンセント、 ステファン卿などはほんのカタスミにちょっとだけ ナイジェルは今回セリフが結構多かったような… そして、突然あかされたアンジェロの名前の由来などもあり 色々と大変楽しゅうございました。 もっとも、下書きですので顔も描いていなくて、どんな表情か 想像して読まねばなりませんでしたが、それもそれなりに 楽しかったです。 下書きのネームでもいいので、文庫本1冊200ページ分を 描いてくださったら、私は迷わず購入しますが まことに花より美しいクレメンテ公のお姿を せめてもう一度山本先生の絵で拝見したいと願っています。
島津さんの本はこれで3作読みましたが、いずれも痛快で冒険心が煽られます。
骨董品というお宝を追い求めるその道のプロハンターだけあって、そんじょそこらのアマチュアな探検とはまるで違います。
それに商売を絡ませているところがユニークなところであり、野心旺盛で精力的な押しの強さが見受けられます。
海千山千あらゆる修羅場をくぐりぬけてきたツワモノだからこそ、書かれている内容に玄人肌した凄みが感じられます。
それもお宝かどうかを目利きにより瞬時に見極めなければならず、同時に心理作戦で値決め交渉を行いつつも、身の安全を確保しておくといったスパイラルな行動は実に天晴れです。
まさしく映画インディージョーンズを凌駕するほどで、しかもノンフィクションであり、地の果てまで宝を追い求める執念をものの見事に描写しています。
294ページに渡ってびっしりと書き込まれており読み応えは十分あります。
本書は、このワクワクする気持ちでもって、読者を秘められた世界にナビゲートしてくれることでしょう。
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