三つの短編で構成されています。印象的なのがタイトルにもなっている一編です。秀吉の朝鮮遠征の際に連れてこられた彼の地の人々が薩摩の地で焼き物をしながら代々命を繋いできた、その中の一人14代目沈寿官氏の話です。小説と言うより、寿官氏の今までを筆者が書いているような形になっています。私は特別な立場に置かれたことがありません。誰かに違った目で見られたこともなく、日本人である事を疑ったこともなく、事実日本人です。400年前に不本意ながら日本に渡り明治維新時には勇敢に戦った祖先がおり、韓国語での日常会話は出来ないにもかかわらず、韓国人としての歴史を持つとはどんな気持ちでしょう。ぐっと来たのは韓国の若者の前での講演で先の大戦での日本との関係について話した時の描写です。読んでいるうちにその情景が目に浮かび、つい涙ぐんでいました。初版が1976年なので最近の韓国の関係とはまた、様子が違うでしょう。それでも薩摩にそういう人々がいると言うのを知っただけでもとてもよかった。苗代川に行ってみたくなります。
読みやすいです。が、その分情報量という意味では少なくなっています。あと、ドラマチックに作るあまり史実からちょっとズレてないか?と感じるところもありました。あと、ストーリーが頭に残りにくい。
小学生の子が歴史に親しむ入口に読む、という位置づけであれば、とても良い本だと思います。「歴史の学習書」という位置づけにするとちょっと無理があるかな、というところです。この本を読んで、細川ガラシャや細川忠興に興味を持って、他の本を読んでみようと思う動機づけになる、というのが、この本に期待される役割かと思います。そういった役割を果たすことができる読みやすい本は少ないので、貴重だと思います。
曲が良い
亜矢の声と曲がマッチしている。コンサートで聞いた時に感動したがCDで好きな時に聞くのもなかなか良い
好き嫌いがあるからどの方に薦めたらよいかわからない。
ガラシャが、関ヶ原の戦いの際、石田三成方の人質となる事を拒否し、 自害したのは細川家の立場を守るためと殉教のためという結論には、 確かに納得なのですが、(これは以前から私も同じように考えていた事でしたし。)全体的に内容が信長や光秀、 そして政治や軍事に関する記述の方がガラシャ本人に関しての記述よりも目立ち、 どうもガラシャの行動面での説明ばかりになりがちな感じで、彼女の心理面への踏み込みが足りないような気がしてしまいました。 また夫の忠興に関しても、彼の文化人的な面の説明に留まり、彼本人の人間性に対する言及も、 あまり見られないような気がしてしまいました。 そして、かなり気になるまちがいがあったのが。
織田信長の娘の一人で、苗木氏の養女となり武田勝頼の正室となった 遠山夫人に関する記述に、とても歴史家とは思えないようなまちがいが見つかりました。 なぜか彼女の方が勝頼の後妻とされ、北条氏康の娘の方が前妻となっています。 事実は逆です。遠山夫人の方が勝頼の前妻であり、武田信勝を生んだのも彼女です。 彼女の死去後に、正室になったのが北条氏康の娘です。 少し、ひど過ぎるまちがいではないかと思ってしまいました。 武田家氏の系図を、確認して書いたのでしょうか? それなら、このようなまちがいはあり得ないような気がするのですが。
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