真犯人に直結する、映像という視覚を利用した仕掛けが秀逸。たったのワンシーンで、それまでの推理が破壊され、有無を言わせず納得させられる、凄い仕掛け。
『ビバ!折り紙』も相当衝撃的でしたが、この本はそれ以上です。
子供達にせがまれて「ドラゴン(中級)」を折りましたが、所要時間1時間というところでしょうか。入門編以外の作品はすべて30cmサイズの折り紙で折ることをお勧めします(できれば薄い和紙)。
十二支も網羅されていて(若干苦しいのも有るけど)、早速ねずみを折って友人にプレゼント。子供に折らせて年賀状に貼ろうか、何てことも思案中。
また絶版になる前に、予備の本をもう1冊買っとこうかしら(笑)。
結構面白いしボリュームも十分だと思います。
が、トリックも犯人も分かってるのに主人公に"ヒラメキ"を与えなければ回答できないのが苦痛。
主人公が検証に必要な"ヒラメキ"を起こすキーワードの組み合わせが全く想像できないケースも。
あまりに主人公の思考が読めなくて、個人的には"ヒラメキ"探しは半分運ゲーじゃないかと思われました。
答え分かってるのに"ヒラメキ"探しに数時間とか、もう楽しい推理の時間は終わってるので苦行でしょう。
一応、評価が下がるもののヒント的な機能は有ります。でも答えが分かってるのに使うのは嫌すぎる。
分かった回答からキーワードの逆算すら困難な"ヒラメキ"をするんじゃない、と。
私としては「十角館の殺人」や「時計館の殺人」と違って、推理して誰が犯人だろうと楽しむよりも、ちょっと暗い雰囲気を味わい深く読ませる作者の力量を楽しむことができる本でした。 理詰めで明かされる犯人やトリックよりも最後に明らかになる秘密の絵に描かれた(非科学的な)内容の方がインパクトありました。
真犯人は意外だが、少し推理めいた要素が入りすぎた感じ。役者は楽しいひとが揃っていて、ドラマはおもしろい。特にナイロン100゜Cの松永玲子さんのクールな刑事がいい。
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