真田代理人きんくんのびっくりルーム
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翼のはえた指―評伝安川加寿子
筆者が10代のころ、安川加寿子は日本の女流ピアニストとして大御所的存在であった。大御所とは言え、その演奏には硬直したところが無く、その頃発売されだしていたドビュッシーのピアノ曲全集(この再発を希望している)に聴けるように、瑞々しい音楽であった。私は地方(新潟県)に住んでいたために実演に接する機会は結局1回しかなかったが、それでも彼女の演奏をラヂオ通して、ラベルの左手のためのピアノ協奏曲を知ったりした(たぶんこの本で触れられている1970年代ころの放送だと思う)。
この本は単に安川加寿子の生涯を追うだけでなく、彼女の技巧のありようを通じ、すぐれたピアノの演奏論にもなっている。しっかりとしたデータを揃えて書いているが、決して学術的になりすぎず、魅力的な音楽的読み物となっていることを評価したい。
日本を創った12人 (PHP文庫)
外国人に囲まれる生活では日本人ということについて考えさせられる機会が増えます。そしてそういう外圧による自身の日本人考は、次第に日本人の美徳やアイデンティティそのものへの探求へと発展。本書もその一助になります。12人は:聖徳太子、光源氏、源頼朝、織田信長、石田三成、徳川家康、石田梅岩、大久保利通、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人、松下幸之助。思考方式や生活レベルでの自身の性格への溶け込みということでは、聖徳太子の習合思想(諸宗教を同時受容するという文化については、社会事象としては同意、個人的には線引き)、石田梅岩(ばいがん)の「石門(せきもん)心学」による倹約と勤勉(さらには細部主義、ちゃんとイズム)の影響を実感します。これらの性質から来る異なる意見の調整、責任感を伴った業務履行は、通常日本人に学ぶ、という姿勢を途上国の人々に感化しているようです。その影響から自己を分離し見極めるという途上にあるのが私にとってのマッカーサー。戦後出発政策の立案中枢を指揮して日本伝統の精神性を否定、堺屋氏が常用するパラメータ“倫理観と美意識”における「効率・平等・安全」を正義に掲げ、物質的豊かさ・生活の安定の礼賛に向かう制度・社会文化づくりを敷いた影響力は、今日に至って測り知れません。権力構造・企業文化・経済発展の観点から、石田三成にその原像をみる中堅官僚や中堅社員の熱意とネットワークで動く「日本型プロジェクト」、大久保利通にみる官僚主導の源流、渋沢栄一による資本の合本主義と財界づくり、池田勇人の所得倍増計画と経済大国ビジョン、松下幸之助による幸せを売る商売・立身出世志向促進・終身雇用・会社人間の職縁社会・PHP(Peace and Happiness through Prosperity)哲学啓蒙などは、戦後日本の包括的理解について言い得ています。織田・徳川については家内殺人で閉口。また本来は皇室についての言及も必要なのでしょう。日本精神否定で武士道を広めた新渡戸稲造が今日息衝いておらずエントリーされていないことも寂しいものです。
豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈下〉 (文春文庫)
偉大な兄・豊臣秀吉の補佐役であった豊臣秀長を主人公とした歴史書。
上下巻の2巻セット。
下巻は、元亀四年(1573年)の足利義昭による信長包囲網から、
天正11年(1583年)の「賤ヶ岳の戦い」終了までが対象です。
つまり「賤ヶ岳の戦い」以降の過程は描かれていません。
同じ著者の作品「秀吉−夢を超えた男」に準じた内容で、上巻と同じく、、
1つ1つの歴的事実(丹波攻略、播磨攻め、毛利攻め、中国大返し、賤ヶ岳の戦い...etc)について、
「秀吉」視点であったものを「秀長」視点に変え、秀長の行動そして心情を描写しています。
構成も上巻と同様に、約8割が信長・秀吉が中心となって進む歴史的事実の記述であり、
秀長を中心とした行動と心情の描写は2割程度です。
兄・秀吉が関白そして太閤となる過程、利休との関係、四国攻め、九州征伐、
豊臣政権における武官・文官の間の対立の抑制などなど、
秀長の本領が発揮されたであろう出来事が描かれていないのは残念です。
しかし、秀長の行動・心情描写が全体の2割程度といっても、その2割の中に、、
会社勤めの人間として会社組織の中における身の処し方のヒントが詰まっています。
そのあたりの描写は、流石は堺屋太一氏です。
組織の中における身の処し方を考え始めた方にオススメの1冊です。
きっと、本書が良いヒントになるはずです。
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