最近邦画を見る機会が多く、 「クワイエット…」もその内の一つ。 で、内田有紀の作品が見たくなって探したのがコレ。
内容は浅野忠信の「酔いが醒めたらウチに帰ろう」的な 「酒」におぼれたダメ大学生演じる成宮。
長髪の内田有紀のセクシーさも見ものだし その反面、アルコール依存症の治療も似てる。 周りが幸せな分、余計アルコールを欲してしまうダメ男。 無断欠勤、忠告無視、暴力。 依存症ってこんなのかと思う方は2作品を借りて見て下さい。
男気のある内田有紀。 大怪我をして身体が不自由になりながらもたくましく生きる内田有紀。 とにかく忠告・アドバイスを繰り返す親友、池内博之。 株を運用してデイトレーダーして東京に住んだが 新興宗教に引っかかって、最後は死亡する中村ゆり。 この映画で最初に見たときガッキーにそっくりだった中村ゆり。綺麗。 暴力や依存症に耐えながら何とか繋がろうとする白石美帆。 でも精神は崩壊してしまう(よう)。 この2作品に共通してるのは、周りがあたたかく理解者がいる事。 「酔いが〜」では永作博美、娘。 今作では、親友や両親。どんな時でも見捨てない心を感じる。
ギスギスした映画が好きなので、ハッピーエンドを期待する方には ちょっと、中途半端に思えるかも。 でもやっぱりこの映画は好きです。
「直感で蒲田に住むことにした」で始まる、独身女性の日常。この一文からしてそうなのだが、この小説には、ステレオタイプな男女像や男女関係は一切出て来ない。例えば「TVタックル」あたりで闘わされるジェンダー論みたいなものが不毛に思えるくらい“進んだ”(しかも進んでいることに力が入っていない)男女像、男女関係が描かれている。登場人物はEDの都議、鬱病のヤクザ、イクことを拒む痴漢、選挙のボラバイトに精を出す40過ぎの居候、そしてこうした男たちと付かず離れずの主人公。文章中にもあるが、彼らと彼女の関係は決して“夫婦にも恋人にも見えない”のだ。そして、こうした“ずれてる”関係に、現代人は癒される。主人公が鬱病のヤクザやイクことを拒む痴漢と知り合ったのはインターネット。ネットの発達はこうしたステレオタイプではない男女関係、人間関係を創造していくのだな、と読んでいて思った。ただ、この小説世界は現実をトレースしている訳ではなく、人々はまだまだ固定した人間関係に囚われている。この小説に「プラセボ(偽薬)」という章があるが、まさにそれはこの小説のことであって、ニセモノだと知らないで服用すると癒された気になるが、あとで真実を聞かされると、効いたかどうかがあやふやに思えてくる、そんな感じなのである。小説の中で主人公は「プラセボ(偽薬)」の効用を説いているが、まさに僕もその通りだと思う。この小説を読むととても気分が楽になるのだ、それがプラセボであったとしても。
評判が高い作品なので読んでみたが、心を動かされなかった。
真面目でけなげな女性とフラフラした未熟な男性という取り合わせはいかにも現代の日本らしく、ふたりのバックグラウンドのディテールにも説得力がある。文章も巧みでてらいがなく、あまり起伏のないストーリーを一気に読ませるあたり、力量のある作家だと思う。
にも関わらずいまひとつ心に迫ってこないのは、結局ふたりの住んでいる世界が狭すぎて、どちらもナルシスティックな自我の中でしか生きていないように見えるからだろう。漱石の『それから』のように、主人公の恋愛が時代に対する批判につながる透徹した視線は一切ない。精神的に未熟な人間が増えている現代の日本らしい作品といえば言えるのかもしれないが。ふたりの生き方に対する醒めた視点がもっと欲しかった。
芥川賞作家、絲山秋子の描く長編恋愛小説。
(あらすじは商品説明にあるので省きます)
女性が男性を主人公にして描いている、という点ではとても興味深い作品です。
ただ、主人公の考え方とか感じ方には、好悪は別として、なにかしっくりとこないものを感じてしまいました。
もちろん、作者が女性だと知った上で読んでいるので、そう思うのかもしれません。
が、それを差っ引いても、主人公には「女性的」な考え方が色濃く反映されているように感じます。
ぶっちゃけて言ってしまえば「男はそうは思わないだろう」という箇所が多いのです。
特にセックスのシーン。
これに同化できる男の人はかなり「女性的」だと僕は思います。
同じことは、出てくる女性たちに関しても言えます。
彼女たちは、訳のわからなさも含めて、とことん「女性的」なのです。
もっとも、何が「男性的」で何が「女性的」なのか、ということは、
おそらく個人が持つ価値基準でしか測れないもので、僕がいま書いている、
この「女性的」「男性的」というラインも人によっては違うように感じるのかもしれません。
(事実、解説で田中和生さんは主人公を「他者のようでもあり自己のようでもある」と言っています)
いずれにせよ、性別という問題を考えさせられる作品であるのは間違いありません。
また、その描き方や物語の運び方もとても上手なので、そういうことを考えなくても楽しめる作品でもあります。
読み終わった後に心に何かがひっかかる「良質な佳作」と言った感じです。
※ほか、ちょっと。
・映画化されるらしいのですが、それはちょっと…と思いました。これは小説として読んだほうがいいです。
・途中に出てくるアル中のシーンはすごかったです。ここだけで、ひとつの作品になるくらい、本当すごいです。
・男女差別とかの意識とかなくこのレビューを書いていますが、それを感じてしまう人がいるかもしれないなぁ、
とも思います。その場合はごめんなさい。
・フェミニストの人はこの作品をどう感じるのでしょうか。とても気になります。
相変わらず字数を徹底的に削っていて,その力の傾け方が好きである.
これ以上削ったら詩になってしまうだろう.
この本のお陰で前橋のさびれ具合が日本中に知れ渡ったことになるが
住民としては野枝が引っ越そうかと思ったほど
変に落ち着く匂いがある
そんなこんなが実に上手
削りに削ってエッセンスを抽出していくような1冊を愛読者としては次も期待
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