死・暴力が画面に溢れているにも関わらず、セピア風の色調のせいでしょうか 妙に悲壮感が漂わない且つ突き詰められたリアリズムになっています。 (そういえばシンドラーのリストも白黒でしたね) ユダヤ人問題や収容所を扱う映画の中では1,2位を争う出来だと思います。 他に思いつくのは シンドラーのリスト スペシャル・エディション [DVD](ドイツのユダヤ人) 戦場のピアニスト [DVD](ポーランドのユダヤ人、ワルシャワ蜂起) アップライジング [DVD](ポーランドのユダヤ人、ワルシャワ・ゲットー蜂起) 黄色い星の子供たち [DVD](パリのユダヤ人) 縞模様のパジャマの少年 [DVD] ヒトラーの贋札 [DVD] ミケランジェロの暗号 [DVD] などでしょうか。
ただ、本題と関係無い所で一つ。ハンガリー出身のユダヤ人を扱う映画を観るのは今回が 始めてだったのですが、どうも逮捕や街の様子が他の作品と明らかに異なります。 あまり書くとネタバレになるので書けませんが、その違和感がなんだろう?と鑑賞後10分ほど 引っ掛かって考えていました。 そうです、記憶違いだと申し訳ありませんが、ハンガリーのユダヤ人はちょっと他国と事情が 違う事をようやく思い出しました。 確か、フォン・ノイマンの生涯 (朝日選書)あたりで読んだんだと思います。 あの微妙な違和感は、そうした事情をも忠実に再現した結果だと思います。素晴らしい!
はっとするような文章でした。
川端康成氏がノーベル賞授賞式で行った講演録です。
四季、雪月花といった自然とのかかわりから生まれた日本人特有の美意識を伝えたものと受け止めました。
それはまさに日本人のアイデンティティーなのであろうと思います。
この感覚が薄らいでいるのではないだろうか、という自戒が湧いてきて、少し苦しくなるような思いがいたしました。
道元、明恵、一休、良寛といった禅僧の歌や言葉を用いて、そこから話を展開する形式がとられています。
川端氏の作品を読んで感じるのは、煌くような言葉の感覚です。
よく海外の人と交流するには自国の文化に対する造詣の深さが大事になると聞きます。
この文章からは、日本独特と思える感性に海外の人が関心を抱いているであろうということを連想します。
この日本語をどう外国の人に伝えればよいのか、という意味で英訳が付されているのがとても参考になります。
33名の方が今回の震災について寄せている「雑文集」だ。
それぞれが今回の震災を真摯にとらえ、文を寄せていることが伝わってくる。
さまざまな視点で書かれているのでひとつひとつに新鮮さも感じる。
特に平朝彦氏の「広域液状化と闘う人々の力」は、
浦安市の液状化現象というあまり書かれていない視点で話なので一読に値する。
間もなく東日本大震災から4ヶ月になろうとしている。
被災地以外ではこの震災を『他人事』と捉えている風潮も出始めているそうだ。
我々が今回の広域に及ぶ震災をもう一度受け止め、
復興に向けての気持ちを新たにするためにも一読をお薦めする。
冬休みになって久しぶりに聞いたらなんかすごくいいなあって思いました。好意的なレビューが少ないですがとてもいいですよ。二枚目のCDですがさらに良くなってると思います。心がきれいになっていく感じがします。
大江さんが池袋ジュンク堂書店で毎月1回6ケ月にわたって行った連続講演が元になっている。大江さん自身は「読む人間として生きた」と、子供時代からの読書体験と感動、翻訳作品を読む際に原文と辞書を横に置いての精確な読み方、3年間1人の作家を集中的に読むこと・併せてその作家に関する良い研究書を1冊読むこと、等を実例を挙げながら楽しげに語っている。といっても例に挙げているのは、ブレイクの預言詩やダンテの神曲等で、私にはどれほで理解できたかは分からないし、読書のハウツーについても簡単に真似ることはできない。ただ大江さんが「書く人間」として真摯に読書を続けてきたこと、また言葉と文体を大切に扱っていることはよく分かった。本書は単なる講演記録ではなく、周到な講義準備と出版に際しての大幅な加筆があるようで、密度の濃い内容を易しくユーモラスに述べている。
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