マイルス・デイヴィス (Miles Davis 1926年5月26日〜1991年9月28日) は、アメリカ合衆国イリノイ州アルトン生まれのジャズ・トランペット奏者。クール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズ、エレクトリック・ジャズ、フュージョンなど時代を先取りした音楽性でジャズ界を牽引する。音楽の活動期間も1940年代、50年代、60年代、70年代、80年代と長く、どの年代も同じものがなくクリエーターとしての手腕もずば抜けていた。アルバムは1963年4月と5月の60年代前半の録音となる。共演者は#1,3,5がピアノがヴィクター・フェルドマン、ベースがロン・カーター、ドラムがフランク・バトラー。#2,4,6はテナー・サックスがジョージ・コールマン、ピアノがハービー・ハンコック、ベースがロン・カーター、ドラムがトニー・ウィリアムス。この様に二つの違った音質のユニットが収録されている、一方は西の名手「Seven Steps To Heaven 」の作曲者でもあるヴィクター・フェルドマン。一方は黄金クインテットとよばれるメンバー、この頃のマイルスは自分を伸ばす為、触媒になってくれたり、起爆剤になってくれる人選をしている。黄金のクインテットの三人がマイルスを更なるステージに飛躍させるとはこの段階では想像できなかった。止まる事を知らないマイルスの一端がうかがえる逸品といえる。
(青木高見)
"Snake Oil" "Mr Spock" が◎。
リマスター→良好
RVG Editionでのリイシュー。ボストンの神童トニー・ウィリアムスのリーダー作第2作。オリジナルのアルバムは、ライナーノーツなしで、メンバーの写真のみの掲載という異色のジャケットで発売されました。ウェイン・ショーターとサム・リヴァースの2本のテナー、ピアノ、ベースのクインテットで、曲は全てウィリアムスのオリジナルです。前衛的な演奏が魅力的で、特に冒頭のExtrasはテーマなしでいきなり2本のテナーの即興演奏でスリリングに始まる。ショーターは右チャンネル、リヴァースは左チャンネルから聞こえます。ウィリアムスのブラッシュワークが印象的。4曲目のLove Songは、唯一英国フォークソング風のテーマの3拍子のナンバーで、ここではハンコックのピアノが素晴らしい。パルトークのピアノ曲のようにクラシカルな雰囲気があります。全曲を通して、ベースのゲーリー・ピーコックが素晴らしい、特にラストのTeeではベースソロで終わるのが印象的。とても若干19歳の作品とは思えない、今聴いても前衛的で新鮮なアルバムです。
77年2月、NYヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴで、ヴェテラン、ハンク・ジョーンズに脚光を当てた傑作。全体にスイングする楽しい雰囲気でセッションが繰り広げられるが、11分を超す「ネイマ」のような叙情的な曲・演奏もある。本作はジャズ入門者が最初に手に取るのに丁度いい作品だと思う。レヴェルは高いが、小難しさはないから。
ハンク・ジョーンズもさることながら、トニー・ウィリアムスのドラムが主役のような場面もあって、トニーの献身ぶりが印象深い。
スタッフを見てわかることだが、本作は日本人の積極的な関与があって生まれた。日本人のジャズ鑑識眼の高さを示している。
3人のうち、ハンクとトニーが鬼籍に入ってしまったとは。本作で2人を偲ぶ縁としたい。
みなさん若い。チックが31歳、トニーが27歳、スタンリーは21歳。そしてスタン・ゲッツは円熟の45歳。チックのオリジナル曲で終盤盛り上がっても余裕でしきっている。
画質は72年の撮影であることを考慮すると、かなり良好。音も最初スタンリーのアンプの調子が悪い瞬間があるが、総じて各楽器の音がきれいに拾えており、5.1chサラウンドを十分楽しめる。
他のレビュアーが書かれているように、トニーの演奏が印象的。スタンリーのアップライト・ベースでの確かなテクニックも聴き応えあり。チックはM3だけアコースティック・ピアノで他の曲はエレピ。チックとスタンリーが揃うとほとんどRTFだが、スタン・ゲッツをたてる所はたてて、調和のとれた熱演が繰り広げられる。
簡素なステージ、出演者の衣装等、70年代初期の気配が濃厚に立ち込めており、感慨深く視聴することができました。
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