シェーンベルクによって書かれた現代にも当てはまる古典的作曲技法。難易度の高い技法だが、ベートーベンの譜面を例にして、最初は手っ取り早く基本的なメロディーの作りかたから始まって最後には如何なる交響曲をも描けるよう丁寧に述べた稀有なアプローチ。この本なくしてはいろんなクラシックの曲(現代音楽も含めて)は描けまい、様々な手順を段階的に習得できるようになるようになるまでを上手く述べた最高の本だ。
如何に高度な編集技術をもってしても、
各演奏の素材が秀逸でなければこの様な美しい演奏は生まれなかったであろう。
美しきものを好んで追求し続けたカラヤンに相応しい選曲とベルリンフィルの質、
そして優秀なエンジニア達によって創造された、まさに至高の芸術品です。
1964年1月2日から1965年11月18日までのべ10日間で録音。 新ウィーン学派の中心的存在アーノルド・シェーンベルグのピアノ作品集。12音階を用いた彼の作品についてはおそらく説明の必要はないだろう。 グールドがバッハを読み解くアプローチと同じアプローチでこのピアノ曲集に挑んだことは当然の事のように感じられる。そしてグールドはそのからくりを解く一歩手前まではこの中で行っていると思う。 しかし、この10年後ポリーニはその謎を全て解く演奏をして見せる。 シェーベルク没後100年の1974年5月ミュンヘンでポリーニにはこれらの曲集を録音する。10指の完璧なコントロールで解かれた12音階の構築物はそこでついに全てのカタチをみせてくれる。是非ともそちらも聴いて欲しい(●^o^●)。
対訳入り解説が付いているのに惹かれて買いました。他の音源を聴くときにも使えるから、と。
観て分かったのですが、シェーンベルク自身による台本は、サービスでついているわけではなく、このDVDの鑑賞に極めて有益です。字幕で分かるのは歌詞だけですから、ト書きを淡々と忠実に映像化していることは台本を参照して初めて分かります。淡々と映像化する、と言っても一筋縄ではいかないわけで、台本を参照することで、監督の意図を考える楽しみが持てます。
口パクのオペラ映画でこれだけ緊張感を出すのは凄いな、と思いながら観終わってから解説を読むと、野外劇場での撮影と同時録音で歌を収録しているとのこと。1974年制作としては驚くべきことではないでしょうか。
かといって、ライブの一回性に頼りきるのでなく、画面の静止を多用してオーケストラに語らせる作りこみも緊張感があります。凄い音楽映画です。
今、日本国内でシェーンベルク(新ウィーン楽派、そして現代音楽)を熱心に聴いている1000人??の人々を代表して申し上げます。 これは良い本です。必読です。 とにかく、代表作のほぼ全てに対し「これをどのように聴くべきか」に関する一助を、丁寧に解説してくれてます。
最近たくさん出ている「クラシック入門本」は、20世紀作曲家については、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、バルトークには触れていても、なぜかシェーンベルクは素通りしているケースが多く、なぜだー!と忸怩たる思いをしてきました。 従来のシェーンベルク本は、グールドを切り口にしたほとんど理解不能?の観念本が出ていたぐらいですが、ようやく正攻法の評論が出て、うれしい限りです。
音楽を「憶えられる旋律」を切り口にして認識するしか能がない大多数の聴き手にとっては、シェーンベルクの音楽は難解です。 難解な対象を何とか理解するには、とにかく副読本が必須。 CD付属の解説書だけでは到底分量が足りず、かといってナクソスの英語の解説書を読破する気もない私のような怠け者には、最高のサブテキストです。 十二音期に入ってからの作品解説になると、「基本音列はXYZ・・・」という文章が増えて、専門用語を理解してないと難しいのですが、これから勉強します!
20世紀以降のヨーロッパの作曲家になると、2度の世界大戦という時代背景が密接に関わってきますが、反ユダヤ主義、戦争に対するシェーンベルクの戦いについても、たくさんのページを割いています。 アメリカへの亡命後、70歳を過ぎてもなお、緊張感溢れる作品群を生みだしたシェーンベルクの「戦闘的芸術性」を垣間見ることができます。
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