まず最初に、これは単なるガイドブックではなく、「ガイドブックとしても使えてしまう非常によくできた読み物」だ。ROCKIN'ON JAPANの書評で見かけて、「楠本まきの書くロンドン」ということでこれ以上に最強のロンドン本はないだろうと購入。期待を裏切らない1冊だった。
筆者は在英10年になるようだが、イギリスに10年住めば誰でも書けるといった内容でもない。イギリス人だってもしかしたら知らないのではないかと思われる、楠本だから切り取るサブカルチャー、アンダーカルチャーがぎっしりと詰まっている。セックス・ピストルズの仕掛人、マルコム・マクラーレンも哲学者のフランシス・ベーコンも同じ程度のさらっとした扱いで触れられるのも小気味好い。剥製術、リー・バウリー、他のどんなガイドブックにも取り上げられないだろう、まさにオルタナティブ・ロンドンの案内書だ。故デレク・ジャーマンのコテージを訪ねる章に至ってはこれだけで一冊の本として成り立つような内容を惜しげもなく、詩的な文体と写真で綴る。 すべてのイギリス好きに是非お勧めしたい、宝箱のような、そして読み応えのある一冊だ。全体を「トレジャーハント」という概念で作ってあるのも洒落ている。 一方、ロンドンからの小旅行には移動手段も時間の目安も載っていてキッチリ「使える」作りになっている。
面白かったので姉妹編にあたる(?)『ロンドン A to Z』も購入してみた。こちらは、よりガイドブック的な内容で、旅行に携帯するならこちらか。しかしカバーしてあるエリアが違うのでやはり二冊とも持って行かねばなるまい。
さすが「ロンドン暮らしいつのまにか6年」の筆者だけあって、読みごたえたっぷりの濃い内容。普通に旅行したのではなかなか知ることのない、インサイダーなロンドン情報が満載です。この春イギリスに十日間の旅行をしたばかりですが、また行きたくてウズウズしてきました。特にアートギャラリーやマーケットに関しての記述が充実。ところどころでメジャーな観光名所も紹介されていますが、作者の取り上げるポイントがちょっと変(いい意味で)なので、新鮮で読んでいて楽しめます。写真も上手で盛りだくさん。 エッセイスタイルですが、項目ごとに手描きマップもついていて、巻末の索引から関連ページを探すこともできます。手に持った感触もコンパクトで良い感じ。次は「イギリスの田舎AtoZ」を出してほしい。
知る人ぞ知るといった感じの漫画家楠本まきさんの『kissxxxx』を耽美に映像化したものです。恋愛漫画ですが、哲学的で神秘的で。人生観が変わる作品です。
知る人ぞ知るといった感じの漫画家楠本まきさんの『kissxxxx』を耽美に映像化したものです。恋愛漫画ですが、哲学的で神秘的で。人生観が変わる作品です。
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