もちろん、小説の読み方について、新たな見方を提供してくれるという意味で、充分価値がありますが、端々に著者である佐藤亜紀の好み(=視点)が垣間見えるので、ファンの方はこれを読んだ後に著者の作品を一通り読み返しながら分析してみるのも一興。
やる気の出る音楽でした。 これからもリピートありですね。 買ってよかった。
知人の紹介で購入しましたが、すごくよかったです。 正直、クラシックなんてほとんど聞かないんだけど、仕事で疲れた時に、静かな部屋で聞くと すごい癒されます。感じた事のない世界で、新鮮でした。どちらかというとテンポ早めな曲がおおいので聞いてて飽きないです。 わりとトランペットって、スカとかブラバンが流行ってるけど、こういう曲を聞くのもいいかも。眠たくなる感じがないので普段クラシック聞かない人にもおすすめです(笑)教養つきます。
異才、佐藤亜紀の最新作の舞台は18世紀初頭のパリ。 オランダチューリップバブルやイギリス南海泡沫事件に並ぶ、 ジョン・ローが引き起こしたミシシッピ会社事件がテーマ。
最初の1ページ目から、鋭くかつ高貴な文体に引き込まれ、 著者の完璧な社会史知識をベースに、今ここで見ている かの様なリアリティで、近代パリのバブルが描写される。
一癖も二癖もあるキャラクターたちが縦横無尽に駆け巡り 市場参加者の一人である私でさえその精確さに驚く 金融市場の昂奮が、株価格の上昇とともに高まっていく。
ラスト、彼女に他の作品には見られない、痛快なハッピーエンドで この作品は大団円を迎える。若奥様の爽快な活躍に、まさに 「近代小説!」と叫びたくなる上質な「ロマン」である
キャラクター造形、基本設定、筋の運び。すべてに渡って、正統的冒険小説作法に貫かれている。しかし、そこに加えられた筆者ならではの薫り高い文体と筋にあらわれない裏設定の緻密さ(それを「世界観」と呼んでもいい)によって、ハリウッドなんぞ太刀打ちできない「近代ヨーロッパ」が召還される。オーケー。完璧だ(「評論はいいから、小説書いてよ」という筆者への期待を込めて星4つ)。
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