新TV見仏記、第四弾は奈良・斑鳩編です。 興福寺・額安寺・吉田寺・融念寺・中宮寺を巡ります。
新TV見仏記になっても相変わらず、みうらじゅん・いとうせいこう両氏が勝手気ままに仏像を見た感想や状況を言っていくのは変わりなく続きます。
拝観に入るまでの入り口から映しているため、まるで普通に一般人が観光しているかのような、テレビを殆ど意識しない立ち回り。 私達が旅していても同じような感覚なのではと、一緒に巡っているような不思議な感覚で視聴者として鑑賞している感じではありません。
言ってしまえば、自分もその場所にいて周りから両氏の感想が聞こえてくるような。 それでもこの二人は一般人を超越したところにいる超一般人ですので、会話の端々の仏像教養の高さが感じられます。
新になって、DVDに拝観した仏像をテロップ解説のみでミュージアムのように鑑賞できるモードができました。 みうらじゅん・いとうせいこう両氏と一緒に巡った気分になって、後でじっくり集中して仏像を見れる。 良い構成のDVDです。
欠点といえば、メインカメラの画質とサブカメラで画質がかなり変わるので・・・安定してもらいたいですね(笑)
先日放映の「法隆寺再建の謎」(NHK)を見ていて、あまりに多くの仏像が出てきて、さっぱり分からなかったということがあった。
あと、「天地人」を見ている子供に「毘沙門天って何?」と聞かれて、一言も答えられなかったということがあった。
思い出せば、薬師寺の「日光菩薩」、「月光菩薩」が「薬師寺展」として東京で見られることになって、NHKと「情熱大陸」が取り上げた際にも仏像は気になっていた。
そういう中で、本誌を書店で見つけたので買ってみた。
読んでみたが、正直知らないことだらけで勉強になる。
まず、仏像の種類は3つに分かれるという。一つは「如来」(悟りを開いた人)、それから「菩薩」(自ら修行しつつ、人々を救済する。出家前の釈迦がモデル)、最後は「明王・天」(仏教の守護神)である。
「明王」は、大乗仏教が広まる過程で、ヒンドゥー教と関係して密教が成立した際に、古代インド宗教の神々が「明王」として位置づけられたということだ。
「天」はヒンドゥー教などの神々が仏教に取り入れられた。「天」は様々な形をしており、鬼子母神までも含む。
「如来」は、「釈迦如来」、「阿弥陀如来」、「薬師如来」、「大日如来」。
「菩薩」は、如来に次ぐ地位にあり、如来の仕事を補佐する役目があることから、如来の脇に仕えるようになり、三尊形式であらわされるようになった。
「釈迦如来」には、「文殊菩薩」、「普賢菩薩」が、「阿弥陀如来」には、「観音菩薩」、「勢至菩薩」が、「薬師如来」には、「月光菩薩」、「日光菩薩」が従うことになっているとのこと。
この中の観音信仰が深まり、観音菩薩は33の姿に変化して衆生を救うとされており(法華経)、救いを求める人に合わせてその姿を現すとされていることから(ここから三十三間堂が来ている)、様々な観音像がある(「千手観音」とか)。
なお、雑学であるが、「かんのん」という言葉は、「かん(観)」と「おん(音)」の各語に「語中音添加」されたものであるとのこと(「ダーリンの頭ン中 英語と語学」)。
「明王」は、「五大明王」(不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)が代表的であるが、これは空海の案出によると考えられているようだ。
「天」であるが、姿形から分類すると、「貴人系」が「梵天」(仏教の守護神)、「帝釈天」(戦闘の神)、「天女系」が「吉祥天」、「弁財天」、「武将系」が「四天王」、「12神将」である。
「毘沙門天」であるが、「四天王」のうち、北方を守る多聞天が独立して祀られる場合に、多聞天の梵名から「毘沙門天」と呼ばれるそうだ。后が「吉祥天」ということだそうだ。
これ以外にも、「高僧」、「羅漢」の尊像があるようだ。
なお、「法隆寺再建の謎」の中で、フランスのシラク大統領のたっての要望で「百済観音像」のルーブル美術館での特別展示が実現したとあった。
その百済観音については本誌では触れられていなかった。
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