小説「クレーブの奥方」を現代風にアレンジした映像です。 監督のオリヴィエイラはサイレントトーキーの時代から映画に携わっている老雄 でして、それだけに俳優には台詞よりも身体を使ったボディーランゲージを 強調して演じるように勧めているそうです。
ある一人の女性が惚れ込んでしまったロック歌手と夫との間で板ばさみ。 そしてロック歌手も自分を愛してくれているのに、自分は拒絶する。 おまけにその事を夫に告白すれば、ショックで夫は亡くなってしまう。 とどこかパロディーめいた内容ですが、映像の流れをみると極めて真摯に 描かれています。 惚れた相手がロック歌手というのが映画の現代風なアレンジでして、 結局主人公の女性はそのまま自立して一人で生活する事になります。
この映画はあらすじ云々よりもむしろ映像美に注目してみてください。 ラストシーンの扉の隙間から見える行列なんて素敵ですよ。
モーツァルトやシューマンの端正で古典的抑制の利いた演奏から バッハが悪かろうはずがない! という想いで購入。 予想どおり(それ以上かも)の名演ですっかり気を良くしています。 バロック器楽の女流による演奏では、クララ・ハスキルの スカルラッティソナタと双璧です、私の心の中では…。
以前の夜想曲全集の録音が好きになれなかったので 聴く前は不安だったが、予想より良い感じの好演だった。
夜想曲全集のようなくどい表情付けを避け、 シンプルに音楽の流れを重視したように感じられ、 より自然な演奏に仕上がっている。
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