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性同一性障害という言葉が、新聞に載るようになって久しい。
国民健康保険証に、戸籍と異なる性別の記載をすることも認められるようになってきている。
今まで、男と女は染色体で決定されるものと教わってきたし、それがあたりまえだと思ってきた。ところが本書は、そのあたりまえのことが、あたりまえでないことを教えてくれる。
染色体、性ホルモンによる影響等のいろいろな要素が、性腺、内性器、外性器、第2次性徴の性を決定し、それが揃えばあたりまえ、になるのだか、それが揃わないことがあるあたりまえの性にならない。
遺伝的には男性であっても、完全型アンドロゲン不応症の場合は外見的には完全に女性に見えることや、遺伝的には女性であり外見的に女性であっても、心の性分化期の影響で男性の心を持つことがある場合や、男性でも女性でもない心を持つ人がいるなど、本当に驚かされる。
しかしながら筆者が言いたいのは、「障害」とか「疾患」というように「治すべきもの」というのではなく、結果としての多様性を受け止めて欲しい、ということではないだろうか。
とても、考えさせられる1冊でした。