ストーンズとマディが出てくるのは少しだけど、あのグルーブ感は今になっても錆びない一品だと思います。あの曲のために買ったようなものなので最高に懐かしみ、熱くなった映像でした。
僕たちの心臓に響く実験を行ってくれてありがとう!
魂が体の中に流れていく…
あったかい
これはビックリしたマディ(Muddy Waters)とストーンズ(The Rolling Stones)の81年のライヴの正規発売。ブートレグ(海賊盤)では有名なタイトルで、映像と音源と両方出回っていて、なかなか良好なタイトルとして知られていた。しかしれほどのレストアがされて甦るとは!
バディ・ガイ(Buddy Guy)所有のクラブでの演奏で、先にステージに上がって演奏していたマディにストーンズ御一行が加わるというあらすじ。この頃のストーンズはまだイベントに対して周到に準備をするタイプだったが、このライヴに関してはツアー途中という事もあってか全体的に行き当たりばったりで、それがなかなかに楽しい。映像、音源共にブートを即廃棄出来る素晴しい仕上がり。
ジャージ姿ではしゃぐミック、テーブルに土足で昇ってステージまで行くキース(Keith Richards)、こまめに気を使うロニー(Ronnie Wood)、黙々とご機嫌なブギウギピアノを叩く創立メンバーのスチュ(Ian Stewart)、散見出来る家族とツアーメンバー、など見どころ満載。
演奏自体はジャム・セッション的なものなので荒いけど、もちろんこれも醍醐味。マディ、ストーンズ以外にもジュニア・ウェルズ(Junior Wells)、バディ・ガイ、レフティ・ディズ(Lefty Dizz)の演奏も楽しめる。「てめえら小僧に負けてたまるかっ」と前へ前への気負いが凄い。特にレフティ・ディズはめちゃくちゃエグい(笑)。その点マディはどっしりと構えて貫禄充分。
初回日本盤は2CD付属で輸入盤と比べて収録曲が多いのも◎。字幕と解説つけるだけで高額をぼったくる大手レコード会社と違っていい仕事してますね。久しぶりに日本盤を買いました。
マディーのプレイは70年代ロックを支えた大黒柱でした。自分も一人のブルースロックギタリストとして非常に刺激的なセットです。そしてこのアルバムの行き着く処はマディー・ウォーターズがブルースと謂う音楽をポピュラーなものに引き揚げたという事実です。音楽の世界ほど時間や人種を意識せずにいられる世界は無いと改めて感じてしまう逸品です。
今頃聞き始めるのは などと考えずに どんどん買って聞くことですよ、このテンポにはまると なんだか おだやかな音楽だったことに気づいたりします。
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