尊敬。
日本人には考えられないアレンジです。
すばらしくて、ため息がでます。
第二次世界大戦前夜、黒シャツ党の軍靴が響くイタリアの保養地コモ湖畔のリゾートホテルで出会った独身熟年男女の恋愛模様を描く。 時代背景などの状況設定は、ベニスを舞台にした名作「旅情」や「ムッソリーニとお茶を」なども想起させる。
時に諍いをしながらもお互い大人の包容力で「講和」を重ね愛を育てていく二人、ミス・ベントリー(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)には、若くイケメンなイタリア男性(ヴィットリオ・ガスマン.jr)が、ウィルショー少佐(エドワード・フォックス)には若く美しいアメリカ人メイド(ユマ・サーマン)が絡み、虚々実々の恋の駆け引きが繰り広げられる。 コモ湖畔周辺の美しい風景描写も見所の一つ。
ヴァネッサ・レッドグレーヴの内面性豊かで抑制の効いた演技が好感、一見スタイリッシュだが実は頑固で不器用な元軍人実業家をエドワード・フォックスが巧演、アリダ・バリがホテルの女性支配人としてゲスト出演し存在感を見せている。 しっとりと上質な大人の映画、90分少々の時間もほどよい。 果たして恋の結末は、、、。
ヴァネッサの1stがシャンソンの伝統をくんだフレンチ・ポップスの傑作で愛聴してました。
これはレニーの名前が大きくて、聴いていませんでした。
手に取ると、レニーはプロデュースだけではなくて、すべての曲作りに関与し、
ドラムスを初めとする演奏もこなし、オール・ヴォーカル・アレンジメントとしてもクレジットされているので、
サウンド・クリエーションはほとんどすべてレニーの世界。(裏ジャケットの写真にも大きく写り込んでいます)
でも期待は裏切られなかったです。
ヴァネッサが彼の音楽世界をうまく歌いこなしていて素敵。
60'sの雰囲気を持つ「Sunday Mondays」や「Your Love Has Got A Handle On My Mind」は
当時の彼らの関係を反映して、愛そのものといった幸福感に包まれている。
「be my baby」を受けて静かなピアノのイントロで始まる「lonely rainbow」、
ブリッジをレニーが歌い、ふたりのデュエットのような曲。
本人写真は、ジャケットよりも中面の外でベンチに座っているやつの方がいい。撮影はモンディーノ。
ふたりの恋の駆け引き(?)が楽しいです。とはいえヒロインのヴァネッサはいろいろなことに一生懸命なんだけど不器用で、要領が悪くて、でもそこがすごくかわいい。そんなヴァネッサから見るとヒーローのジルベルトはなぞめいていて悪役の魅力を漂わせている存在ですが、実のところヴァネッサに負けず劣らず不器用で、そんなふたりの、一見おしゃれでクールな恋、実のところどたばたで「なにやってんだ!」と(いい意味で)発破をかけたくなるようなふたり。中世のヴェネツィア、仮面舞踏会、占い師に、貴族にというきらきらしい舞台設定とは裏腹の、コメディ寸前の恋物語のアンバランスさがとてもバランスがよくて、とっても楽しめました。脇キャラもいい味を出しているし、楽しく読める一冊です。
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