他人の本棚を覗く楽しみ、書店の本棚を探る楽しみ。けれどそれは決して本棚を見ているわけではなかったことに、あたらめて気づかされる。本を収納しておく為の、人間の長い努力の歴史。中には滑稽に思える工夫もあるが、それは私が本が溢れかえっている社会に生きているからなのだ。 自分自身と本との関わりを、新たな視点で考えさせられた一冊。
2010年ノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏の半生をコンパクトにまとめている。
口述記録なのか、平易な文章ですいすい読める。受賞理由であるクロスカップリングに関してもわかりやすく説明があるので専門知識がなくても楽しめる。
ノーベル賞を取るような方が小中学生時代はどんな生活をしていたのか、どんな関心を持ち研究や進路選択をしてきたのか、興味ふかく読めた。
また、研究職の採用や昇進など米国の大学制度と日本の比較に関する説明も面白かった。
「卓越性の追求」「適性を探すには、いろいろな局面においてコンペティティブであること」などの言葉が印象に残った。能力のある中高生などにこの本を読ませたら意気に感じるところが多いのではないか。
「風呂屋の暖簾」が載ってへんなぁと思ったら、他にも頁数の関係で載せられなかったのがあるということで、次の本を書き進めてはるような。
で、この本、関西の人が昔から培ってきた人と人とのコミュニケーションの知恵が集められている本やと思います。
話は野尻湖から始まる。ナウマン象の発掘。そして、それをかつて追って生きていた人々。次は黒曜石を石器として使った狩人たちの話。さらに早期縄文土器。海の道(貝や魚を食べた当時の人々)。縄文中期のクルミやクリの栽培の話。ヒスイと黒曜石の交易ルート。弥生の集落から古墳時代へ。峠の「神」についての話。奈良時代、中世から近世まで、古道の旅と思索は続く。地図や写真が載っているので、わかりやすい内容の本。
結末が簡潔になっています。後、トリックがそんなに難しくはなかったので(私の主観ですが)、推理系が得意でない人や、子供にも良いと思います。難しいのが好みの人でも、自分で考えられるのでいいと思います。
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