ページを開いて最初に思ったのが、
グインサーガワールドなのに、どうして伊集院大介シリーズが掲載されているのかということでした。
ここでわざわざ発表しなくてもいいのになあ、と思いました。
3つの連載作品については、
前回に引き続き、それぞれの作者の持ち味を生かしつつ頑張って書かれていると思います。
特に今回面白かったのは「星降る草原」。
リーファのお母さんの過去の話ですが、かなり栗本薫のテイストが入っていたように感じました。
きっと研究されてるんだろうなあ、と思える内容でした。
大抵の出産本とは違ってました、端から観ると順風満帆な人が鬱に陥っていたというのも驚いたし。しかし妊娠から出産にかけての力まない自然体の強さは感動もの。これって母親になるとかならないとか言う前に、女性は読んでみて損は無いと思うなぁ。一気読みしちゃいましたよ。
ボクが銅版画と出会ったのは高校生の時。美術の授業でだ。
銅の輝き、針で引っ掻く音、インクの匂いなど、当時の記憶が
本書を通して甦ってきました。
この作品は、祖父、父 から引き継いで銅版画を仕事とする
アーサー・ガイサートによる、少年時代の自伝的要素を含んだ、
銅版画の解説書となっています。
趣味ではなく家業として営んでいるだけあって、工房はさながら
小さな工場のよう。販売用の展示スペースまであるくらいです。
そんな環境の中、祖父の仕事を手伝う少年を通し、銅版画の作業手順
が物語仕立てで描かれており、まるで自分も作業に参加している
ような気持ちになってきます。
もちろん絵はすべて銅版画。サービスカット的な絵も盛り込まれ、
単なる技術の解説だけでなく、表現の魅力や完成したときの満足感まで
伝わってきます。この本がきっかけで銅版画を始める方は、本当に
幸せですネ。
話はなんとも読み応えたっぷりで、ゲームで物語を知っている方としても感動する。 けど、挿絵がもう少しほしかったかなぁ…と思います。とても綺麗ななので…。
この本を読むからには、まず「栗本薫氏のグインサーガではないことを認める」 ことを念頭において、偏見を排除して読むことにしました。 その結果は、「素晴らしい!」の一言でした。 おそらく、久美 沙織氏オリジナル設定なのでしょうが 「スカール出生前の知られざる人間ドラマ」 「スカールの母親の秘密」 「スカール青臭い時代の物語」 などが、次々に登場し、物語に引き込まれていきます。 そして、ラストに「スカールという名将が誕生した瞬間」が 熱い展開とともに見事に書き出されています。 私は、この作品を読んで、栗本薫氏以外の グインサーガも認めてはよいのではないかと思いました。 あらたなグインサーガ作者の誕生を記念する一冊です。
|