幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))
物語に引き込まれ一晩かけて読み耽りました。
終盤を迎える頃には外が明るくなり始め薄明るくなる部屋でゾクゾクしながら読んでいたのですが。
が、ラストの終わり方で拍子抜け。
どうしてここまで頑張って読んでいたのだろう?と後悔してしまうくらい。
この方の小説は3作しか読んでませんがそのどれもがラストに納得できていません。
ラスト以外は本当に面白いと思います。
白夜行 [DVD]
19年前に起こった殺人事件、事件発生時から捜査に参加したもののどこか腑に落ちない決着に疑問をいだきながら定年を迎えた刑事笹垣。一方事件の容疑者のひとりだった女性の娘雪穂、事件の後もなぜか彼女のまわりで不審な事件が散発する。一見無関係に見えた一連の事件だが、あるインスピレーションを得て笹垣はこれら事件の根がひとつであることを見抜く。雪穂のノーブルでありながら影を背負った生き様、はたまた彼女を守り抜こうとする亮司の激しく危うい生き様を辿っていくうちに、いつのまにかフィクションの世界が身近な恐怖へと変わっていく。2人だけではない。歯車の狂った人生がいくつも交差するストーリーは重い。その重さが楽しめる人向きの作品だ。刑事笹垣は執念で事件を解決するキャラクタではない。しかし事件と時を同じくして彼を襲った不幸が彼の行動の原動力とした筋立てに妙があり、物語にもうひとつの芯を与える。それが作品のクライマックスで大いに生きた。とはいえ意外なほど厳しい結末は、エンディングとともに眩暈を感じるほど。だが、この救いのない結末が逆説的に我々に何かを伝える。それぞれの感受性で答えを見つけよ、という心憎い作品だ。
TBS系ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック
ストーリー、演出、キャストも良かったですが、この素晴らしい音楽によって、近年稀に見る傑作ドラマになったと思います。
モリコーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を思わせますね、色んな意味で。