シュトヘルの9巻。
今巻では
モンゴルの隠された皇子ユルールが、
モンゴルの大ハンの息子、正当な後継のトルイの影武者ナランによって金国の居庸関を攻めている本営に向かっていくところから始まります。
ナランは個人的には好きなキャラクターで、真面目な印象のトルイと違い狡猾さ、奔放さ、そして快活でありながら残酷である面を感じられます。
そんなナランのことを、救われた恩もあるとしてもユルールも嫌ってはいない様子。
しかし、今巻のスポットライトは主にシュトヘルに向いています。
迫ってくる復讐者たち、その戦いの中でシュトヘルは自分が新たなシュトヘルを生み出していることを知ります。
けれど、シュトヘルは諭します。
「救ってくれる誰かに出会え。生き直させてくれる誰かに出会え。」
ユルールに出会って救われたシュトヘルは他の誰かも救われることを信じているのでしょう。
しかし、当のシュトヘルに諭されても納得などできるはずもなく、これからシュトヘルは繰り返しの環を終わらせることができるのか。
この漫画を見ていると如何に
モンゴルの騎馬弓が強力だったかがわかります。
馬は平原において重要な移動手段であり、兵站、連絡、戦場での兵器等の役割をこなしていました。
多くの馬を持ち、馬の扱いに長けていた
モンゴルが強力な帝国を作り上げたのも道理ですね。
シュトヘルが仲間を殺されたのが1209年、居庸関攻めは1211年の夏ごろですから、ユルールが旅に出てからまだ2年程なんですね。
成長著しいユルールですから、もっと時間が経っているものと思っていましたが。
次巻では居庸関攻めが始まります。
シュトヘルはユルールを取り戻すことができるのか、注目です。