いやあ、むずかしいです!
受験時代の「武田泰淳」に苦しめられたのを 思い出しました。
高倉健と北海道という組み合わせで一番成功しているのがこの映画だ。 ダンスウィズウルブスがアメリカ先住民を描いた以上に、アイヌの現在を神話的に描くことに成功している。自らの和人としての出自を知らないアイヌ独立の闘志である高倉健の姿はむしろマルコム・Xを思いださせるかも知れない。壮大なスケールを持っており、ぜひ大画面(ワイド+カラー)で見て欲しい。 原作よりもいい作品になっている。内田吐夢の隠れた傑作だ。
一部は知っていたのですが すっかり虜になりました。 戦中 戦後も、こんなことあったのでしょうね。 ありがとうございました。
武田が描く精神病院にでてくる患者は 架空なものであるがゆえになぜか底でわれわれと 似通ったものがある。 われわれの奥底にあるさまざまな欲動を いろいろな形で極限化しているものばかり。 だから親近感があり、そしていろいろなことを教える。 人物ひとりひとりを見ていくだけでも面白いのに加え 異常者たちを抑えようとして崩壊してしまう 精神病院という全体の流れもあり、息のむ暇も無く 一気に読み進めてしまう。 最終章の落ち着いた武田の語りは 何度読んだかしらない。 いかにして生きるべきか。 重い思索、読んでいいようのない 充実感を感じる。 人生の中でもっとも愛する書物のなかの 一冊である。
|