この映画はスト-リ-がとっても良くできています。初めは主人公がとても美しいという不純な動機で見ていたのですが、そんなものは全く必要ないくらい面白かったです。最後には熱い感動がもらえます!ぜひ見てください!
「砕かれた双子座」、「ダ・ヴィンチ・コード」等と同工異曲の、キリスト教の根幹を揺るがす"聖遺物"を現代の若者が追うという体裁の物語。
ガウディを2000年に渡って"聖遺物"を代々守る"モリヤの七人の騎士"の筆頭騎士と設定している点に新規性があるだけで、キリスト教信者でない身にとっては、面白みもサスペンス性もない。
ガウディの弟子の孫で"聖遺物"を追うヒロインの名前がマリア、それを助ける数学者の恋人の名前がミケ(ル(ミカエル大天使)というのだから、どれだけキリスト教の世界にドップリ浸かっているかが良く分かる。"モリヤの七人の騎士"とこれまた2000年に渡って敵対する<悪>の組織"メンスラ団"が現存し、マリア達を付け狙うという設定も大時代的で、見かけ上のスケールの大きさと物語の面白さとが一致しないという点が作者には分っていないらしい。
作者が謎と考えているものは、聖書とバルセロナの地理の知識がないと解けないし、同じく謎と考えているらしい"メンスラ団"の代々の首領の
仮面の男の正体は容易に類推可能である。要するに、ミステリ的興趣は極めて薄いのである。
むしろ、読み所はサグラダ・ファミリアに託した
ガウディの設計思想・宗教観にある。作中に、マリアの友人として日本人女性が登場するのだが、
ガウディの意匠が東洋的思想(特に禅)を取り入れているとの指摘は興味深く、この点をより深く掘り下げてくれたら、日本人読者としては有り難かったと思う(私も
ガウディとサグラダ・ファミリアに惹かれて本作を手に採った)。マリアの相棒として数学者を選んだのも伊達ではなく、サグラダ・ファミリアにはフラクタル等の幾何学的意匠が込められているとの指摘もやはり興味深かった。こちらを中心に物語を構成してくれた方が余程求心力のある出来に仕上がったと思う。
今回のウリは、何と言ってもCD化を望む声が多いにも関わらず、なかなか実現しなかった『
太陽の子エステバン』でしょ。 「これだけで買い!!」ですよ。 日本コロムビア様よくやってくれました!! 本当にどうもありがとうございます。 VIには『
剛Q超児イッキマン』の収録を、是非ともお願いします!!!!(切望) 蛇足ですが… エステバンのOP「
冒険者たち」のラストに、ピーーー…と言うハウリングの様な音が聞こえますが、あれは原盤であるEP版の方にも入っておりますので、ご安心(?)を。 ハウリング音に聞こえるけれど、れっきとした演奏音なのか… それとも、何らかの事情で編集時に消去する事が出来なかったノイズなのか… どちらなのかは存じませんが…