NHKスペシャル『ミラクルボディー』のEDで、エッジの立った音とともに“澤野弘之”のクレジットを見かけ、そういえばちょっと前に、音楽だけ強烈に“来る”ドラマがあったな…と思い出し辿り着きました。
ギャング映画風のジャジーな曲、社用族華やかなりし頃のナイトクラブを想像させる曲、哀傷感ある
バラード…と、“昭和的なサムシング”がベースにあることは確かですが、1980年生まれ、制作当時26歳の澤野さんの手になるという点に興趣が尽きない。
原作小説(五味川純平著)は昭和30年代が舞台ですが、ドラマはあっさり現代に設定をかえていましたから、特に“昭和っぽく”する必要はなかったわけで、若い作り手のパロディ精神か、自然発生か、はたまたドラマ制作サイドからのオーダーか…なんて、要らないことをいろいろ想像逞しくしてしまいました。
若いだけあって、曲のひとつひとつ、伸びがピュアで勢いがある。欧米人監督が日本を舞台に撮った映画(『ブラック・レイン』など)に独特のエキゾティシズムがあるように、平成育ちの作曲家が音楽で形づくる“昭和”は、新鮮かつ痛快です。
…といわれそうなほどの正統派
バラードだが、ラジオから流れてくると、思わず聞き入ってしまうのは確か。彼女がここまで心に染み込む歌を唄えるとは…。まだまだ新たな可能性を秘めていると思われる。
よかったです。僕は1stが好きなので今回もそれを越えてはいませんが、非常に力強い曲ばっかでよかったと思います。中でも
タイトル曲はめちゃかっこいいです。80年代テイストが入ったダンスナンバーです。ほんとにアメリカでも通用する日本の歌手だと思った1枚です。是非聴いてみてください。