勧善懲悪の子供向けロボットアニメなんか、見る気も起きないが、こればかりは始めて全部見てしまった。これが子供番組でやることだろうか・・・
確かに子供向けっぽい雰囲気は作風から漂っている。技名を叫ぶ、三機が合体、最強の必殺技は連発できるのに最後に使う・・・ これは他のロボット物となんら代わりは無い。
しかし、逆に言うと子供っぽい雰囲気はこれだけだ。主人公達のロボがいきなり出てきて敵のロボと戦い始めたら・・・無論警察だ。警察や軍隊が出てくる。人々は不安と恐怖に駆り立てられ、容赦なく死ぬ。間違っても主人公達を他のアニメのようにヒーローと崇める事は無いし、次の話までには町も人も元通り、なんて事は決してない。
これは最初の3話ぐらいまで。その後さらに深刻になり、敵の侵略は主人公達のせい。または、主人公達=敵という考えが常識化する。そして、主人公の親しい人達にも容赦ない不幸が訪れ始め、主人公達は社会から徹底的な避難と暴力を受け、孤立化する。
それもそのはず、敵の攻撃だけではなく主人公達と敵との戦闘でも絶えず人は死ぬ。敵の
戦艦を捕虜もろとも皆殺しにした事すらある。
[人間爆弾]の予備知識を私は持っていなかったが、有名な話らしい。その有名な[人間爆弾]の話からはさらにシリアス度がアップする。第一話から登場しているキャラにも容赦ない死が訪れる。そこからは怒涛の展開と言っても良い。
最終回、地球に帰還する主人公が朦朧とした意識の中涙を流しながら無数の死者へと、自分の行いに意味があったかを確認する所から今まで敵視されていた人々に初めて出迎えられるラストはアニメ至上に残る名シーンと某辞書サイトに書かれていたが、その意味をようやく理解できた。
アニメOP・EDのフルバージョンだけでなく、
挿入歌や
英語バージョンなども入っていて嬉しい。
たしかにCD1枚あたりの時間は短いが
これだけの曲数が入っているのなら、それも仕方ないのかも・・・・。
(昔のアニメの曲は、全体に時間が短いですから)
ただ、放映アニメ曲と同じアーティストを、全てに起用してほしかった。
舞台を宇宙に移してのガイゾックとの最終決戦。大きな犠牲と引き替えに勝平が目にした真の敵の正体とは!?
「敵との戦闘で破壊された町はどうなるのか」
当時、それまでの巨大ロボットアニメでは(故意に)無視されていた問題を真正面からとらえたリアルなスーパーロボットアニメ。
ラストでは泣けます。
大山のぶ代が
ドラえもん以外の声(しかも主人公)を当てるのは今となっては珍しい。観ていない人にこそ是非見て欲しい。DVD化を強く望む!