ハードボイルドというのは、物語を客観的に捉えてはいけない。
読む側も斜に構えるくらいがちょうどいい。

そして、白川作品はハードボイルドの匂いがするファンタジーだと　私は思う。

島耕作とは言いませんし（島耕作も未だに読んでいるが・・・）、
まんまサンクチュアリとも申しますまい。
突っ込もうと思えば突っ込めます。そこは満載です。

でもいいんです。そこは目をつぶりましょう。
ロマンと言ったら言いすぎかもしれませんが、梨田の成長をずっと読んでいたいのです。

白川さんが物語りを書いてくれるだけでいいんです。

現実的でないからこそ、作品に引き込まれることもあるのです。
同じテーマでも、白川作品の醒めた明るさが読む気にさせるのです。

「素直に評価したら良くて☆二つまで」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、
白川作品は、普通に評価しなくていいのではないかと。

思い入れで評価して☆５つにさせていただきました。

　病葉流れてから数えて6作目。主人公、梨田が大学入学した時の1作目
から、この「漂えど沈まず」では24歳の梨田、時代は万国博覧会を迎え
ようとしている。入社してから周囲の評判も良く、無難に仕事をこなし
ていくのだが、今の仕事に違和感も持つようになっていく。
　べティと水穂2人と交際していたが、少しずつベティ方に魅かれていく
そしてベティが梨田の子供を授かる、しかしべティは会社を辞めてアメ
リカに飛び立とうとしている。
　梨田は少しずつ昔やっていた株取引に手を出そうとしているが今後ど
うなっていくのか？病葉流れてシリーズが何作まで続くのか？今から楽
しみである。