他の方のレビューを読むと「某宗教云々」と書いてあるんで本の中で布教しているのかもと思ってしまったが、全然そんなことはない。もちろん、ホテルでお経を唱えるとかそんな描写も出てくるが、それはショーター氏の宗教観であり、某宗教の宣伝本ではありません。(大野俊三氏の本は明らかに宣伝本でしたけれど。)この本は綿密な取材とインタビューによって成り立っている。著者が過去の作品やインタビューを集めて勝手に編集した本とは違い、本人と接触して書き上げられているので、かなり信頼性は高い。ジャコの出現によりウェザー・リポートでの立場はNO3になったみたいに世の中では言われているが、ショーター自身の作曲のスランプやプライベートの時間の確保などとジャコの出現がたまたま重なっただけで、ジャコがショーターのポジションを奪ったということではない。通説と本人の見解はずいぶんと違うようだ。「そうだったのか」と思わせたエピソードはジョー・ヘンダーソンが短期間、マイルスのグループに加わったときのエピソード。ジョーヘンを加えた公式録音がないのもそういう背景なら納得がいく。
少年時代から現在まで一貫して変わらないのはショーターの変わり者エピソード。変わり者エピソードに意外とページ数を割いている。ミュージシャンとしては偉大だけれど、プライベートだと「面倒くさそうな人だな」と思ってしまった。(笑)
私事で恐縮だけれど、生まれて初めて本格的に聴いた
ジャズ・アルバムがこの作品で、とても思い入れがある一枚だ。
まずどの曲もテーマがすごく印象的。一回聴いただけでも頭にこびりついて離れなくなるくらい。マッコイ・タイナー大活躍。
そしてこのアルバムにはショーターの他作品にはない柔軟性がある気がする。綿雲が夜の風に乗って緩やかに流れていくような心地の良さ。疾走しても不思議と浮遊感は消えない。
ジャケットも物凄い。こんな意味不明でかっこいいアートワークは他に見たことがない。
サンタナ中心でショーターはゲスト扱いなのかと思っていたが、「エレガント・ピープル」なんかでは、サンタナのソロはなく、ショーターとパトリース・ラッシェンのソロだけである。どちらかというとショーターが見たくて購入したため、ショーターの出番が予想より多くて良かった。実際、ウェザー・リポートの時よりも出番が多いと思う。メンバーもPatrice Rushen (kb)Chester D. Thompson (kb)Alphonso Johnson (b)Leon Ndugu Chancler (dr)Armando Peraza (perc)Jose Chepito Areas (timb)という面子であり、ウェザー・リポート寄りのメンバーである。サイドメンのプレイではLeon Ndugu Chanclerのドラムが強力で印象深かった。
CD付きでこの価格、ショーターのファンは買いですぞ。
ジャズ好きの自分には、
ジャズメンは天才肌の方という見方でしたが、こんなにも苦労しているとは思いませんでした。
とにかく読みやすくて良かったです。
人生の羅針盤的な本ですね。オススメです。58歳自由業(アコギ独学中)
この時代のウェインのバンド、凄いですよ。私は、この時代のウェインが一番好きです。ハイテクなコンテンポラリー系
ジャズで、仕掛けやキメのある複雑な佳曲が多く、ミュージシャン関係の方はタマラないんじゃないでしょうか。数多の名曲を残しているウェインですが、エンダメィジド・スペィシーズ(M5)なんて、その中でも特段カッコ良い曲だと思います。
アルフォンソ・ジョンソンのベースは音が立ってキレているし、ディビッド・ギルモアのギターもイケてます。しかし、特筆すべきはロドニー・ホルムズのドラムスでしょう。ホントに凄いです。冴えまくりでブッ飛んでます。躍動的で美しいです。バネの利いた華麗でパワフルなスティックさばきに惚れぼれとします。
ボーナストラックには、オマー・ハキム(&スタンリー・クラーク&ハービー・ハンコック)とトニー・ウィリアムス(&ロン・カーター&ハービー・ハンコック)のプレイも収録されていますから、このDVD、ミュージシャン関係の方にはタマラないと思います。
1995年と若干古い映像ですが、映像クオリティも充分に及第点以上です。堂々の5つ星です。お勧めです。