初版からすでに四半世紀。新品の入手はほとんど不可能ではないかと思われるほどの古さである。しかし、記載してある内容は、今でも全く古びていない。
一見単純そうなコツを聞いて回るという、1分間シリーズの流れはそのままである。しかし、後書きによれば行動科学や経営学の様々な理論が埋め込まれているという。
自己実現の予言、メンタル・リハーサル、パレートの法則、顧客指向、積極的傾聴、自己の肯定的・積極的需要などである。
本書の特徴は、上記の販売のコツを掴んだら、それを自分に対しても用いることで自分の能力を高め、ストレスを減らすことに活かすという2段階の作りになってフィードバックが出来上がることにある。自分に対してのセールスでの手法は、ケン・ブ
ランチャード氏との共著である1分間マネジャーの3つのコツである。
さらに、自己の肯定、すなわち失敗しても行動を見つめるだけで自我を責めない、といったことは、自著の「1分間自己革命」によるものであろう。
まさに1分間シリーズの総集編にふさわしい。