ニューヨークへ留学、マンハッタンでソロライブを行なってきたヴォーカリスト、木田折子さんのファースト・アルバム。アメリカの第一線で活躍するミュージシャンを揃えた現地録音盤。軽く崩して歌うフェイクや肩の力の抜け具合が何とも個性的。全体的には、ゆったりとした歌唱が並んでいますが、「LOVE FOR SALE」や「MY FAVORITE THINGS」といった曲では、スインギーに歌い上げ、
ジャズ・シンガーの面目躍如たる好唱。「MANHA DE CARNAVAL」は、MARK SOSKINの心地よいピアノだけの伴奏で始まり、それにハスキーなヴォーカルが加わるといった前半の構成。この辺りを聴くとヴォーカル・ファンとしては、「次回作は是非、ピアノとのデュオ・アルバムを!」と期待したくなります。そんな思いを少しだけ満たしてくれたのがラストに収録された異色のカヴァー曲「Eki」で、両者のコラボレーションは予想通りパーフェクトな仕上がり。勿論、本作では各プレイヤーも随所で切れの良い演奏を展開し、ヴォーカルを強力にバックアップしています。