酷評の多い本書だが、私は評価したいと思う。
名言集の後半だが第四部から連載中の第八部の冒頭までから紹介している。
個人的には中盤のクライマックスである第五部「黄金の風」を追体験
出来た事が大きい。
連載が始まったのはもう四半世紀も前の話だと思うが、良い作品というのは
なぜか後からふつふつと評価されて盛り上がってくる。
このような本が出版される事もジョジョが高い評価を得ている事の証左だろう。
アニメ『
機動戦士ガンダム』も放映当時は評価されず、再放送を重ねる中で
徐々に認知され、現在に至る圧倒的な評価を得て、当時の社会現象となった。
最近、ジョジョの再映像化、再アニメ化の話も発表され、Play Station 3での
新作ゲーム化もあるそうだ。再評価の波が押し寄せている。
(余談であるがゲームと言えばPlay Station 2用ソフトであるCAPCOMのジョジョ
第五部を題材にしたゲームはジョジョの世界観をうまく表現した名作であった)
現在進行形で連載中のシリーズだが、少年ジャンプから生まれた、少年誌にしては
実に高度な哲学の元に描かれ、その半端ではない本物の名作であるジョジョの魅力
を再発見できるこの名言集。
芸術性の高い圧倒的な画力、描かれる物語の魅力、どれを取っても一級品の本作。
天才というべきか鬼才というべきか……荒木飛呂彦の才能を満喫できる本だと思う。