本書は境界性人格障害と診断され、2週間の入院をすすめられたのにもかかわらず18歳から約2年もの間、精神病院に入院した著者の回想記です。
精神病院での入院生活において他の入院患者とのエピソードが複数にわたり紹介されていますが、どこか親しみやすく冒険ファンタジーのような
タッチで描かれています。
しかし、要所要所で精神疾患や思春期の若者といった側面から現実的な厳しさも描かれており、終盤に至っては社会に何かを大事な何かを訴えるような重々しさが感じられます。
果たして著者は本当に精神疾患により精神病院を入院する必要があったのだろうか!?とも思える内容です(個人的な答えはYesだと思いますが・・・)。
著者が精神病院を“パラレル・ユニバース(隣にある別世界)”と表現して外界である日常社会との対比をしていましたが、彼女たちが最高度閉鎖病棟を訪ねたときの描写が精神病院の中においても“パラレル・ユニバース”が存在するように描かれていたのが印象的です。
最後に、本書は
アンジェリーナ・ジョリーが
アカデミー賞助演女優賞を獲得した“17歳のカルテ”の原作になっています。
ウィノナ・ライダーが主役で、ジャレッド・レトやウーピー・ゴールドバーグも出演しています。