テメレア戦記シリーズ第三巻です。
ヨンシン皇子の葬儀を終え、中国を後にしたテメレアとローレンス。休息を取る間もなく、すぐに次の任務が舞い込みます。その任務とは、オスマン帝国で貴重なドラゴンの卵を受け取りそれを無事英国に持ち帰ること。そのためには過酷な砂漠越えに挑まなければなりません。
中国でドラゴンと人間が対等にあるいは敬われている現状を目の当たりにし、奴隷のように扱われている英国の現状と見比べ改革を求めんとするテメレア。テメレアを支持したくても戦時下という中で立場上その意見を完全に認める事ができないローレンス。二人の間で幾度となく交わされる会話は人と竜のそれではなく、まさに我々人類が問い続けている戦争とは何かという深い問いを代弁しているかのようです。
最愛の守り人を失い復讐を誓うリエン、それ以上に強大に立ちはだかる
ナポレオン。二つの力がローレンスとテメレアをさらなる戦火の渦へと引きずり込んでいきます。
まだまだ続く、テメレアシリーズ。期待しています。
中国からのテメレア返還要求、すったもんだの挙句?ローレンスとテメレアの中国への旅が。英国の政治的思惑、中国宮廷内の陰謀。テメレアの自意識の発達(やっぱりそう思うよなー)、中国での新たな竜たちとの出会い、、、ラストはほう、これは意外ということに。
もうちょっと中国に着くまでの過程をさっくりと書いて、架空の中国や中国の竜たちの様子にボリュームを割いてくれたほうが好みだなーという感じがしますが、けっこうおもしろかったです。
「戦記」っていう題名はちょっと違うんじゃないかと思うのは私だけかな。冒険ならわかるけど。
いつもながらの緊迫感とイベント満載。
ワクワクしながら読み進めましたので、量がまったく気にならなかったです。
物語のスピード感はもとより、戦闘のリアルさ、人物像の描写もより深くなっていて楽しめました。
しかし、相変わらずローレンスが苦労性!!いろいろ悩みすぎだよアンタ…と思いきや、最後の最後で大胆な行動を取ってしまう。
次巻がどうなるのか、不安だらけです(そう思って
英語版wikiを見てたら、ローレンスが老け気味に描かれててちょっとショック)。
本巻では英国のやな面がもろに露出されているので、仏国が本当に普通に見えました。
全9巻らしいですが、どうやって終わるのか本当に見えません。
あと、個人的には女性飛行士たちが大好きです。彼女たちのまっすぐで颯爽とした生き方、とてもかっこいいです!