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ローマの休日」のオードリーを初めて観た時には、世の中にこんなに美しく可憐な女性がいるのかと衝撃を受けました。
映画の冒頭シーンは電話をしている彼女のドアップシーン、あの人がこの人になったかのショックは大きかった。目の周りの皺がすごくて、キツメのアイラインが侘びしさを漂わせていました。
この時の彼女はまだ40才になっていないはず。上手く年を重ねるのには失敗してしまったようです。人気女優の旬は短いですね。
映画はミュージカルの名手だったスタンリー・ドーネン監督の才気溢れる演出が冴え渡っています。
夫婦が昔初めて訪れた地に自動車旅行に行くと、若かりし頃の2人がヒッチハイクしているところとすれ違ったりetc.現在と過去が巧みに入れ替わるシーンの連続に魅せられ酔わされてしまいました。
誰も歌い出したりはしないけど、上出来のミュージカル映画のような味わいを感じます。
オードリーのファッションにも注目、彼女のジーンズ姿や水着姿が見られるのもこの作品だけではないかしら。赤いセーターと細身のジーンズ・スクール水着のような水着、エレガントに着こなしていました。
彼女の旦那様役を演じたアルバート・フィニー、当時はオードリーとのロマンスの噂もあったようです。彼はオードリーを「世界一セクシーな女性」と絶賛していたようです。
ちょい役で駆け出しの頃のジャクリーン・ビセットが出てくるのも注目です。きらめく美貌とデンジャラス・カーブのボディ、一瞬オードリーを忘れて彼女に目が釘付けになってしまいました。
この映画が製作されたのは1967年ですが、今観ても古さを感じさせない新しい映画です。倦怠期を迎えた夫婦の姿を描いても、ちっとも生活感漂わないのはオードリーの持ち味のお陰かな。
嫉妬したり、泣きべそかいたり・・・そんなお茶目な演技も楽しめます。大好きな作品です。