ヘンリーカウは
ジャズ、ロック、現代音楽を機軸に高度なインプロヴィゼーションを駆使するカンタベリーを代表する前衛グループです。前作でジェフ・リーが脱退、本作は女性バスーン奏者リンジー・クーパーが加入しての2ndアルバムです。前半の精密なコンポジションと後半の高度なインプロヴィゼーションの2段構成。この緊張感あふれる音の迷宮は鳥肌ものです。
昔、このヘンリーカウの1stを聴きながら空想の世界へ足を踏み入れることが好きでした。
ヘンリーカウの音には、レイ・ブラッドベリの小説などにも共通する
奇妙で滑稽で不気味で幻想的で神秘的な不思議で他には無い独特な世界があります。
当時、私は絵画を描いておりましたので、随分とインスピレーションをもらったすばらしいアルバムでした。
じっくり聴きこむと、そこにはヨーロッパの架空の小さなおとぎの国の夜の幻想風景が瞼の裏によく浮かんできました。
彼らの音楽は混沌としていて清冽というか、夜の
ムーミン谷のような雰囲気の音とでも言いましょうか。
記念すべきこの1stアルバムは、作曲とフリーの部分のバランスもちょうど良く、
眼を閉じて聴いていると、次々と色々な奇妙な風景のカウ王国へ連れて行ってくれます。
ジャジーな木管のインプロヴィゼーションや整然と造り込んだアレンジ、
ペンタトニックを排除し、フリップと双璧を成す斬新なジャジープログレ風味のトリッキーなギター、
手数が多く、しかしうるさくなく良くグルーヴするドラム!
混沌とした中にキラリと光るものがあります。
2nd以降、ヘンリーカウは徐々にフリーミュージックのウエイトを増やしていきます。
解散後、1981年ころでしたか、フレッド・フリスの初来日ソロコンサートを観ましたが、
ギターをひもで弾いたりする全篇完全なフリーノイズミュージックで、ちょっときつかったのを覚えています。
以後の作品で木管のバスーンやダグマー・クラウゼのヴォイスをフィーチャーしたナンバー等、
この1stを凌ぐすばらしい曲もありますが、アルバムを一貫して聴いた場合は、やはりトータルなバランスがよい
この1stが一番のお気に入りで、何年経っても古さを感じさせない本物の音楽が息衝く名盤だと思います。
広汎性発達障害の息子に
犬を飼いたいなと思っていたときにこの本を見つけました。
ゴールデンレトリバーのヘンリーが、著者の息子さんであるデールの成長に大きな役割を果たしたことはもちろんですが、それよりも何よりも、著者とご主人が、障害に対して距離を保ちながら、徹底的な療育を家庭で行ってこられたことに感銘を受けました。
さまざまな日常のエピソードが、まるで目の前で起こっているかのように詳細に記述されているのにも驚きました。
私は、
息子とのエピソードを思い出すのは辛すぎて・・・。
終盤でしたか、息子さんと娘さんが手をつないで道路を渡っているのを見て、身が震えるような感動を覚えた、というくだりには、心底共感しました。
読み終わって、やっぱり
犬が飼いたくなりました。
追記
やっぱり、飼うことに決めました。
ヘンリーと同じタイプの
犬・・・。
これから、どんな生活が待っているのか、
楽しみです。