養老氏の独白を文章化したものであって、 養老氏の思うところがつらつらと述べてあります。 基本的に現代社会の危うさを啓発したいとの思いがあるようです。 批判の理由付けとなっているのは養老氏自身の経験(常識)です。 だから、戦前戦後といった養老氏と同世代の方は彼の考え方に共感するかもしれませんが、その世代でない私にとっては、そうですねえ・・・ お父さんが子供に対して話す世間一般についての哲学的な教訓と受け取れました。 たとえ共感できないとしても、違った時代を生きた先輩がどう考えているかを知るのは今の時代を知る・自分を知る、という意味で結構重要なんじゃないかと思うので、一読してみるといいと思います。短いので簡単に読めますよ。
これまで、なんとなく、この人については、「ああ、テレビによく出てるなあ。ポスターたくさんあるなあ」という程度の無礼な認識しかしていなかった。 自分の聴くスコープも広げなきゃみたいな、義務的な気持ちも湧いてきたりして借りた。 聴いてみた。 で・・反省した。 音が図太い。歌のつくりが一筋縄じゃいかない。まとめる方向にいくのではなく、守りに入るのではなく、攻める感じが伝わってくる。ひしひしと。 音楽的にも様々な実験が行われているような気もする。 ということで、今後、この人の歌も音楽も丹念に聴いてみようと反省した一枚でした。 今更ながらですが。
もうこの世界観はDIR EN GREYにしか無理です
僕は冷血なりせばと凱歌、沈黙が眠る頃が聞いていて身震いしました
DOZING GREENは英詞になってますが綺麗な言い回しで感動しました
このアルバムの存在はちょっと他のアーティストのアルバムとは次元がちがいます
次のアルバムが楽しみです
アルバムをまだかまだかと待っていたら「会いに来た」NEWシングル。
トラックはロックな感じですが、そこに歌詞と歌声が乗ってくると
不思議な温かみを帯びて迫ってくるタイトル曲『涙のふるさと』。
リフレインを中心にした歌詞は、いつものような物語調でなくBUMPに
してはシンプルで、余分なモノが削ぎ落とされた結果でしょうか。
練りに練られて出来上がった飛びぬけて優等生な一曲という印象。
c/w『真っ赤な空を見ただろうか』も、テンポこそ早めではあれど、
根底に流れる温かみ、という点で一貫性を感じる背中合わせの二曲。
今回は隠しトラックも一曲として聴けるッ…と思ったらやっぱり
そこは隠しトラック、外すべきところはちゃんと外してきた(笑)。
トラックの関係上PCに取り込む時にめんどくさいのはやや難点かな。
総じて名曲か駄曲の二者択一を迫るような作品ではないけれども、
狙いすました普遍性が詰まった一枚でこれからの寒い季節にも最適。
そしてもう次は…新アルバムを期待しても良いのかな?待ってます。
大学受験以来、忘却の彼方にあったローマ史ですが、これが非常に面白い。 「ギリシアが高度な文化や政治制度を持っていたにも関わらず衰退する中、なぜローマだけが際限なく発展したのか?」。ギリシアとローマを対比させながらその謎に迫ります。 著者の堅苦しくなく、ウィットに富んだ語り口により、僕がかつて世界史を学んで(詰め込んで?)いたときには、覚えにくい文字の羅列でしかなかった古代ローマや古代ギリシアの人々が非常に身近にいきいきと感じられます。 第1巻と第2巻は、カエサルも5賢帝も登場しませんし、史料も少ない上に、非常に長い期間(建国~ポエニ戦争前まで)を扱っていますので、著者も大変苦労されたと思いますし、若干盛り上がりには欠けますが、副題のとおり「一日にしてなら」ないのがローマであり、「ゆっくりと、しかし着実に」発展したローマの特徴が非常によく分かるよう工夫されていて楽しめました。 なぜ、ローマだけが発展したのか?他者に寛容な多神教、王政と貴族政と民主制のいいとこどりをしたような政治体制、戦争で敗かせた相手をも取り込んで「ローマ化」する貪欲さ・・・ 著者はこれらを「ローマの開放性」と表現し、これこそがローマを発展させた源であるとしています。 僕たちは、「文明の衝突」が叫ばれ、他者に対する非寛容と硬直した価値観による対立が益々エスカレートする現代に生きています。 そうした現代だからこそ、古代ローマの開放性を再評価する必要があると感じます。日本も同じ多神教をベースとしていますから、日本人である僕たちこそ、共感を覚えることも多いはずです。 次の巻も読まずにはいられない、楽しみながら「温故知新」できる、そんな本です。
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