原作は未読ですが、この映画版にはがっかりでした。
とにかく、オシャレっぽいシンボル――カメラマン志望の主人公、古い借家暮らし、同居人の幽霊(主人公の元友人)、ゾンビ映画、店長がゲイの超イカしたバー、ちょっとしたパーティ(どこでやってるのか知らないが、東京っぽいイメージのやつ)、両親が隠退生活を送るきれいな島、血のつながらない美人の姉、そして極めつけにIKEA(あそこをオシャレと思うセンスはもう……)などなど――を並べただけの、ヒジョーに薄っぺらい内容で、三浦くんと榮倉奈々ちゃんを出しておけば、このオシャレさが補完できるだろうという、作り手の安直さがありありと窺えました。
姉との関係とか幼なじみの女の子との関係、幽霊となった友人との関係、見ず知らずの歯科医から持ちかけられる謎のバイトとかいくつかのエピソードが絡まり合う構成なのですが、登場人物の行動原理や暮らしぶりにまるでリアリティがなく、各エピソードは有機的に結びついてゆかず、疑問や怒りがふつふつふつふつと湧いてくる感じでした。
会話は退屈で、生身の人間の言葉と思えないし、『東京物語』と比較するなんて、なんちゅうおこがましさ、と感じてしまう作でした。
あ、でも、十代や二十代で見ると印象はまた変わってくるかもです。当方、三十代のおじさんですから。
豪華出演陣に加え、井川遥までチョイ役でレギュラー出演している。 1話ごとに出演者一人一人のドラマを描いているのだが、冒頭で勝男に反目していた子どもが1話の間で勝男を好きになるというのは。。。 それが子どもだからか? だが、江口洋介のこのキャラの演技は「101回目のプロポーズ」の時から好きだったし、内田有紀がとてもすてきなので次を見たくなる。 もっと芸達者ないしだあゆみなんかを前面に出してもいいとは思ったが、出演者の多さのためにそこまでには至らない。
井川 遙のすごさは彼女の表情に彼女の伝えたい事をうまく表現できるとこ。 この遥かに愛しい君のことではその表情が1ページ、1ページ違い、 次のページがどんな表情なのか期待させる写真集。
原作も映画も話題になっているのは知っていましたが、ようやく観る事ができました。 原作を読んでいないので、脚色云々は判りかねますが、映画としては興味深く拝見できました。 厚生労働省の役人が漫画チックに描かれているのですが、これが全体のトーンを表していると思われます。 TBSと東宝の提携作品ということから察すると、医療事故を扱った作品ですが、重くなりすぎないような作りを狙ったと考えています。 手際の良いシナリオで、テンポ良くストーリーが進んでいきます。 この作品で印象に残ったのは、心臓外科医を演じた吉川晃司さんです。『モニカ』の頃はしっていましたが、貫禄がついて、それでいて若々しくて存在感がありました。 それにしても、お医者さんとは何と大変な職業かとお察しいたしました。
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