2000年に小学館から出た単行本『ハート・オブ・スティール』の改題・文庫化。
女性探偵・笹野里子を主人公とする短篇4本が収められている。芦原作品としてはちょっと異色かも知れない。ハードボイルドの非情な世界なのである。それが著者の柔らかな文章・微笑ましいユーモアで味付けされている。結果、なんともいえない不思議な雰囲気が漂っている。
物語の意外性はすごい。しかし、ミステリとしては難あり。
『月夜の晩に火事がいて』の山浦歩が脇役として登場している。
確かにそれぞれ夏休みを題材にした作品だが、とりわけ夏休みを感じられるような作品と言うわけではなかった。
ただ、個々の作品はどれも素晴らしい。
告白の内容はさまざま。恋愛・友情・感謝・・・
大人になるほど告白することは少なくなります。告白するって気恥ずかしさを伴うものだからでしょうか。
だから、どの告白も、その緊張感が新鮮でもあり懐かしくもあり、面白かったです。
あっという間に読み進んでしまう1冊です。何かを告白しようか迷っているあなた、必読ですヨ
女子大を休学して祖母の経営するスナックを引継いだヒロイン、ミラちゃんと客たちの交流をコミカルに描いた、短かめの長編。とにかく会話(と、ヒロインのぼやき)が物凄く楽しい。ただ、この楽しい世界も永遠の楽園ではない。かなり辛い展開などもあって、それでもラストが爽やかで感動的なのは、やはり主人公の魅力ゆえだろう。
ゴツボ×リュウジさんの表紙に惹かれて買ったのですが、個人的に音楽ものが大好きなのもあり、中身は期待以上でした。
特に花村萬月は持ち前のエグい描写もあり、秀逸でした。
さらっと読むのに丁度いい感じです。
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