もし「平面」を自由に操作することができたら―― この作品はそんな奇抜な発想による、類まれなる傑作漫画である。 『アフター0』で他の追随を許さないSF漫画を描き出した岡崎二郎氏の手腕は、 もちろんこの作品においても存分に発揮されている。 ただ一つ残念なことは、このような傑作が現在入手困難ということである。
最近はテーマ性のある作品の多い岡崎氏だが、今回のテーマは「家族愛」かと思ったら、「文明論」でした。ただ導入部は身近なホームドラマから入り、その後スタートレック風異文化交流で楽しませ、ラスト近くで「意外な展開」を経て、最後は「文明の進歩の限界」という重いテーマで哲学を語る、その物語の運びのうまさは、作者のSF作家としての円熟さを感じさせる。重いテーマでもラストは希望に満ちたハッピーエンドで、読後感もさわやかな印象が感じられました。ビックコミク連載時より大幅に加筆・ストーリーも増やしており、それによりメインテーマがより奥行きの深いドラマに仕上がっています。 なお氏の作品は刷数が少なく、ときに入手困難になることが多いので、ファンの方は早めの購入・入手をお勧めします。
オリジナルのコミック、「オーサーズコレクション」の二つに続く、三度目の単行本化。
前2シリーズとの差は<未収録作収録>、これに尽きる。
「オーサーズ〜」のようにジャンル別にまとめた(たとえば「大いなる眠り子」一気読み)のもいいが、
多分発表順に戻し、そこに未収録作を入れるこのver.が最終版になるのだろう。
できるだけ多くのひとに手にとってもらいたい
最良の<SF〜少し、不思議>が、ここにある。
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