プレゼンのマニュアル本と思って読むと期待外れかもしれません。
読者の気持ちを捕らえるためにいかに綿密に計算し、熟慮して作品を作りあげているかを マンガ作りを通して教えてくれます。 それがプレゼンにも共通する部分であり、そうした視点の欠けたプレゼンを作者自身が 受けてきたことから書かれた本です。
実際のプレゼンにすぐに役立つようなマニュアル本ではありません。 具体的なスライド作りなどには触れられていませんので、プレゼンが不得手な人には 理解が難しいかもしれません。 一方、プレゼンの経験者には自分がこれまで自然と行ってきたことが、文章となって 裏付けられていると感じることができるでしょう。
代表作「ドラゴン桜」や最新作「砂の栄冠」と同様、読み物としても十分おもしろい良書です。 所々で「クロカン」や「エンゼルバンク」など、過去の作品に触れており、これがこの本の 最大のプレゼンだと思いながらも、三田さんの策にはまり、早速注文してしまいました。
機会さえあれば教育に関して発言したがる大人は多い。本書はいろいろな立場の大人がテーマすれすれに独自の見解を展開する。おもしろみのない、奇をてらっただけの、あるいは机上の空論に終わるなどの否定的印象を抱かせるものが多かったがまあそれはよい。大人になってから役に立つか否かは子供の教育の本質には関係ないことくらいは知っている。
この本ではおもしろくなければ次の授業にとばせばよいだけだ。
<1時限目>英語はいつから学び始めるべきか
? まずは日本語の土台を固めよう……大西泰斗
? 9割の日本人に英語は要らない……成毛眞
? 子どもをカタカナ英語に染めないで……デーブ・スペクター
? 変えるべきは「学校」より「親の意識」……鳥飼玖美子
<2時限目>中高一貫校は幸せへのプラチナチケットか
○ 有名私立中学への進学は人生の「保険」ではない……藤原和博
○ 受験ストレスから逃げず、成長する機会と考える……田中ウルヴェ京
△ 焦らず叱らず比較せず、子どもの成長を待つこと……開一夫
<3時限目>「お金」と「仕事」をどう教えるか
○ 人が人であるために仕事とお金がある……西原理恵子
? ビジネスの原点は利他の精神にある……正垣泰彦
? 本当の豊かさは安さで実現される……似鳥昭雄
○ 感情を切り離して真実を見抜く力を……山崎元
<4時限目>挫折や失敗をした子どもにどう接するか
△ 失敗をワクチンと考え、正解を押しつけない……畑村洋太郎
○ 自分の頭で考えてこそ、本物の答えが見つかる……工藤公康
△ 対等な立場からの勇気づけの言葉を……岸見一郎
授業という体裁をとっているので○は一応最後まで聴く、△は居眠り?は授業としての体をなしてないと職員室に抗議するというランク付け。
一時限目はタイトルが恣意的または誘導的で各講師もmassを対象とした無責任発言に終始し説得力がない。三時限目のサイゼリヤとニトリの2人はテーマにあった話をしていただきたい。4時限目はきれい事に終始した。苦しい経験した人だけが正しい教育を語れるのは何故だろうか。教育で飯を食っている人の授業は実用性ばかりでなく正確さも実業団のお言葉に劣っているという印象だ。そこがわたしの収穫だった。
学ぶということを他の著者と異なった切り口で一刀両断。痛快な本です。 なぜ学ぶのかいろいろな著者が書いているが、これほど比喩がわかりやすく、一見乱暴とも思える切り口が、返って読み手の心に響きます。読者は、食傷気味なところがあるので、このくらいのインパクトがないと、心に響かないのでしょうね。 なるほどと思うところがたくさんありますが、部活をやったものがなぜこれほど現在の社会の中で重宝がられ、また、実力を発揮しているのか、著者の見解を読んで非常に納得。 よく体育会系という、少し揶揄された言い方をされることがありましたが、違ったところにその理由を発見し、なるほどと深くうなずいています。 また、「背番号が二ケタのキャプテンになれ」では、国語力と結んで説明がなされている。これからのリーダーは、コミュニケーション能力を発揮していかないとつとまらないことが読み取れます。 多様な思考の枠組みを持つ上でこの本は、参考になる一冊です。
頭を使って仕事をする事を教えてくれました。 今までダラダラとその日暮らしなのを反省です。
学生時代から「自分の個性って何?向いてる仕事は何?」と考えすぎて 潰れ、フリーターをしたことがありました。私の様な人間には合う本だと思います。
この本に書かれている様な「型」にはまるもんか!と勉強を放棄したり人との集いを 避けたりした事もありました。しかし実際はある程度の型にはまったほうが「できること とできないこと」の区別がついてやりやすい。「できることに集中しろ」という後書きに全 てが集約されています。「オンリーワン主義」の現代で「個性を捨てろ!」は勇気のある発言 ですが、ドラゴン桜を読んで面白いと感じた読者ならすんなり受け入れられるのではない でしょうか。個性なんて黙っていてもついてくるものですから。分かりきっている人には つまらない本かも知れませんが、「自分の個性って何??」と悩み一歩も進めない状況に 陥っている人には大いに勧めたい一冊です。ニートやフリーターは「自分なんて何の個性も 取り得もないし社会から必要とされていない」と思いがちです。しかし時代のニーズに沿った 型にとりあえずはまってみればいい。そう思わせてくれました。
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