しがない会社の経理課長がマイホームを買ったとたんに脱力感と無力感を感 じてしまう。奥さんと娘、家に満足していながらも生きているという実感がない。
そんなときに出会ったのが社交ダンスだった。主演の役所広司の顔が次第に いきいきとしていくのが良く分かる。毎朝の早朝出勤も苦でなくなる。早くダ ンス教室に参加したい。うまくなりたいという目標が生まれて毎日が楽しくなる。
趣味にはそんな強い力があると思いました。 出演者それぞれに個性があり、物語にアクセントをつなげていきながらラストを 迎えます。
何度見ても楽しい作品です。
少し懐かしい感もある、彼ら自身からのメッセージソングっぽい先行シングル「NEVER STOP」から始まり、
ハズレのない曲が並んでいます。ここ数年、タイアップ曲やらシングルやらが収録され(当たり前ですが)、
アルバムを聞いても、初めて聞く曲の方が少なかった印象がありましたが、今回は違いますね。
そのせいか、アルバムとしての流れが良いように思います。
加えて、今回感じたのが、がんばって「歌い継ぐ」パターンにしていないこと。最近、一部分ずつ
「歌い継ぐ」のを、本当にいろいろな曲でやっていて、それが良いときももちろんある一方で、やはり
無理を感じるときも…。それが、今回、その曲(フレーズ)に一番合った声を選択している感じがしました。
個々の曲を聞いていくと、うなるのが、「明日」。出だし、苦手かも…と思いかけたところに、予想を裏切るような、
新鮮でいて、心ひかれるメロディーの展開。たぐいまれな作曲センスです。村上氏の圧倒的な歌唱力も素晴しい。
そして、他にできないな、というのが「見つめられない」。オールドソウル調の曲ですが、高音域の二人と
ファルセットのコンビネーションが絶妙です。洋楽っぽさではアルバム中No.1でしょう。
ジャズを意識した「Blue〜」も良いですね。ベースを効かせた軽快な感じは、初期を彷彿とさせます。
どれもよい出来ですが、大人のアルバムという感じですね。
映画をご覧になった方なら、持っておきたいとお考えになる作品でしょう。場面場面を思い出すのを手助けしてくれる曲が詰められていて嬉しいですね。センスがいいなぁ~という感じです。ただ、こうやって改めて音楽だけを聞き返してみて感じたのは、映画の画面に流れたときの方が輝いていたんじゃないかなということです。だからといって、価値を損なうわけではないんです・・・・。
ダンスも楽器を弾くのもかなりハードな動きをします。なかなかコンサート衣装も楽器によっては不適切なものも多いのが実情。ことに「チェロ」は足を開くのでAラインのドレスや細身のものは不向き。ダンス衣装から素敵なアイディアをもらいました。
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