雑誌 文学界に2009,2010に発表したもの。
南木佳士ファンとしては読まざるを得ないのだけれど、最近の作品の単調さは残念ながら相性が合わないように感じる。
パニック障害からうつ病を発症し、その後、自然との触れ合いの中で、徐々に体調を回復された過程を小文に綴りながら生きておられる。
それは、多くの中年過ぎの輩にはある意味救いなのであるが、同じ文脈が何回も違う書の中に出てくるのは食傷気味でもある。
さらに、泌尿器の衰えの表現が多様されるのも、男という未練なのかと思ってしまう。
こんな文章に出逢うと嬉しいのは確かなのだが。
あのころ、山で針葉樹の香を嗅ぐとざわついていた心身がわずかずつ鎮まってきて、もてあましていた「わたし」は、いつの間にかただ歩いて汗をかくだけのからだのなかに回収されていった。その快感が病みつきになり、やがて針葉樹の香の依存症になって、ほとんど毎週山に入っていた。
また、茅ヶ崎の開高健記念館の別棟の勉強部屋を見た感想として。
ここを書斎と記さなかった彼の思慮深さをあらためて思い知るとともに、深夜、ウヲッカやストレートウイスキーを酔わない程度にすすりつつ、一字たりとも書き直しのない精緻な文を原稿用紙の上に愛用のモンブランの万年筆で紡いでいた本物の作家の苦しげな息づかいの残響が聴こえる部屋を覗き見てしまったことをやりきれない罪悪感を覚えたものだった。
今は京大教授の山極寿一さん(ゴリラの専門家)が南木佳士さんと同じ高校で同学年であったことは新たな発見であった。山極さんはバスケット部、南木さんはサッカー部だったそうだ。
この本を読んでいると、いい感じに力が抜けて、温かい気持ちになれて、そして考えさせられます。心に残るフレーズが散りばめられていて、「明日もちょっとだけ頑張ってみようかな」という気持ちになります。「こんなふうになりたいな」シリーズ第2弾ですが、第1弾の現役ダメ高校教師のこんなふうになりたいな。を読んでいない人は、ぜひこちらもお薦めします。自分が高校生の時に、こんな先生に出会いたかった!
今の子供と当時の子供の抱える問題は違うかもしれないが、親と子がいかに向き合うか、それを教師としてどう支えていくか、というテーマは決して廃れはしない。
今観ても、人と人のコミュニーケーションのあり方など考えさせる部分が多く、作品としてパワーを感じる。主演の西田のみならず、友人役の柴俊夫、校長役の藤岡琢哉、教頭役の成田三樹夫など、脇役陣の安定した演技は、素晴らしい。
愛すべきテレビドラマです。マジで熱い!
西田さんのアドリブもいっぱいで最高に面白い!けど毎回涙もする素晴らしいドラマ。最終回はみんなが本当に号泣したと聞きました。心と心をぶつけ合いながら人として一番大切なものを教えてくれる石松先生!池中玄太に続き夢中になって観ていました。今の世の中、特に観て頂きたい傑作です!
|