夢野久作氏、原作の「ドグラ・マグラ」あの分厚い原作をどこまで表現できるのか
レンタルビデオ屋で見つけた時、胸がドキドキしました。
パッケージ画ほど、気持ち悪い映像ではありません。
あのコンパクトにまとめられた濃密な時間の流れ、テンポの良さ、映像の美しさ。
役者さんたちも本当にイメージ通りで、下の方と同様、気持ち悪いくらいでした。
素晴らしい再現力に松本俊夫監督のDVDBOXも購入してしまったくらいです。
映画を観る前には、やはり原作を読んでおいた方がわかりやすくて、良いと思います。
怖い映画が好きな方や、少し変わった映画が観たい方にもオススメです。
”おばさんのセーラー服”を観ていて思い出した原作の一節。
うろ覚えなので正確ではないが、
”見る角度によって老婆にも見える”というような表現があった。
「少女地獄」シリーズに含まれる三作ほか、短編3編を収録しています。 いずれも夢野久作独特の世界観や文体は健在ながら、ストーリーは筋を通し、終始一貫した形を取っています。ですから、ドグラマグラであまりの眩暈に襲われ、最後まで読みとおせなかった人でも気軽に夢野ワールドを体験できるのではないでしょうか。 私のお薦めはなんと言っても「少女地獄」中の1作、「何でも無い」。ある開業医の前にあらわれた、天才的看護婦にして美少女・姫草ユリ子。誰もが無垢なる彼女を愛し、信頼する。しかし彼女は・・・というお話。 この話のポイントは、虚構の世界を生み出し続ける姫草ユリ子という存在そのものが実は虚構である、という点でしょう。だからこそ彼女の生み出した虚構全ては無限に増殖しながら、姫草ユリ子という虚構を支え続ける、というメビウスの輪のような状態を呈することになります。 物語の冒頭、一通の手紙が告げる彼女の結末すらも虚構に彩られており、膨大に構築された虚構の「仕組み」が、私達を翻弄し続けるのです。
タイトルは昔から知っていたのだが、機会がなくて今まで読んでいなかった。 キンドルファイアを入手した機会に無料本のリストに載っていたため読むことにした。 文体は割合に分かりやすいが、かなりの長文でありながら、章立て等の文の切れ目が無く、栞を入れて読み休むところがない。 時間を確保した上で一気に読みたい。 その上で、現実と幻覚、現在と過去が入り乱れているので、メモでも取りながら何度か読まないと、理解するのに苦労するだろう。 続きが読みたくなる話でもある。 奇書ではあるが、間違いなく名作である。
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