音質はほかの方がおっしゃるとおり文句なしです。うねる弦楽器、すごい迫力、音におぼれそうになります。
ダイナミックレンジはかなりあります。ボリュームをちょっと上げて聞いてみると良いです。
マルチチャンネルの収録は3chで、左右とセンタースピーカーを使用します。
のだめカンタービレで千秋とミルヒーが共演した曲も入っており(ラフマニノフ)、いちファンとして高音質でこの曲が聴けることに感動しました。
ピアノの演奏も情熱というか感情がこもっていて聞いていると涙が出てきそうです。
CDとは一線を駕す音質ですので、ぜひ聞いてみてください!!
とにかく名盤の誉れ高い録音。ハイティンク率いるコンセルトヘボウ管弦楽団の、どこまでもひろがるロシアの広大な大地のような緩やかなバックに、アシュケナージがロマン溢れるアルペジオを展開する様は、まさに圧巻。まったく文句のつけようがない、ラフマニノフの決定版である。テンポは中庸。
1楽章の凄まじさといったらこの上ないし、2楽章の抒情感も、泣けてくるほど。3楽章も、抜群のセンスのをもったアッチェランド(急に速くなる)で、魅了する。とにかくバックがすごい。すさまじく、そして美しい弦楽セクションが、この曲全体を支配している。トゥッティの迫力も、この上ない。ピアニストはこれでおそらく3回目の録音になるが、まさに知り尽くしているとしか言いようがなく、この曲を完全に自分も物にし、ピアノを歌わせている。この演奏を超えるものはあるのだろうか?あったとしたら是非聴いてみたいというほどの名盤だと私は思う。
同時にビデオ撮影も進行したという第2番ニ長調、第1番ハ短調は(録音はこの順番で行われました)、文句なしに「カラヤン美学の集大成」ともいう、文句のつけようのない素晴らしい名演奏です。 「流麗なレガートの美学」を根本原理としたカラヤンの音楽観にぴったりのニ長調は、最高級の絹糸のような繊細なピアニッシモから爆発的なフォルティッシモまでベルリン・フィルは一糸乱れぬ完全性を示しており、カラヤンの意図と一体となった驚くべき演奏と断言してよい。 元々十八番だったハ短調は(1961年頃のヴィーン・フィル盤もコンセプトは全く同じで、カラヤンのこの曲に対するヴィジョンが確固たるものであったことを示します)、ブラームスの堅固な構築と、徹底した「音楽の建築学者」でもあったカラヤンのヴィジョンが融合、ベルリン・フィルのメンバーも一心不乱に弾いています。「何事が起きたのか?」と慄然とせざるを得ない異様なほど重厚で意味深い第1楽章序奏部。冥界の門の前での孤独の対話のような第4楽章序奏がカタストローフ的崩落を遂げた後、静謐の中から聞こえてくる有名なホルンの感動的な呼びかけが聞こえたあたり、晩年のカラヤンならではの諦念の陰影が濃い。慣習的アッチェランドも全く自然だし、異常なまでに長く鳴らされる最後の和音は、あたかもこの世=この曲との別れを惜しむカラヤン自身の心情を吐露しているかのよう(音響自体は晩秋の夕暮れに吹き鳴らされるファンファーレのように非常に美しい)。ゴージャスなのに感動的。カラヤン美学の集大成と呼びたくなるゆえんです。 元々せかせかした演奏になりがちでカラヤンとは相性の悪い第3番ヘ長調に関しては、平均的なライブ録音のようで、全く面白くない(ベーム、バーンスタイン、ジュリーニとは比べ物にならない)。録音もオンマイクで、生々しいが気品に欠ける。 第4番ホ短調の80年代の録音でないそうですが、到底完璧にコントロールされているとは言えない(ベルリン・フィルとの関係も悪化の一途を辿っていましたからね)80年代の録音からすると期待できない。 というわけで、第1、第2に関しては、これらの曲の真髄に迫る超弩級の名演奏と断言しておきましょう。
テレビで彼の演奏を聴いて感動し、CD入手を心待ちにしてましたが、聞いてみると・・・今いちでした。ショパンやリストの演奏は技術の未熟さを感じました。
ただし、小さい音で流れるように弾くフレーズは彼の得意な奏法なのでしょうか。彼の作曲した曲は、流れるようなフレーズが多く、川のささやきという曲はとてもきれいで感動しました。つらいこともあるけれど、明日はいいことがあるさと語りかけられているような曲です。
このCDはちょっぴり期待がはずれたけれど、次のCDは買いたいな・・・って思わせられました。
次のCDに高得点をつけたいので今回は厳しく星3つとしました。
和の楽器・尺八で幅広い音楽の可能性を追求してきた藤原道山、藤原と一緒に音楽を創ってきたピアニストで作曲家の妹尾武、25歳で東京都交響楽団の首席チェリストに就任した古川展生、というスーパー・セッション・グループのKOBUDO-古武道-のファースト・アルバムです。
各人とも多様な音楽ジャンルに挑戦してきたわけで、その豊かな音楽経験が一番大切である豊かな歌心として伝わってきます。洋の東西を問わず、奏でられる音楽の素晴らしさを堪能できる組み合わせです。
千住明作曲の「WATER ISLAND」は、懐かしい日本の原風景を思い出させるような曲と演奏です。リーフレットにある平原に立つ1本の大きな樹のような広がりと安らぎが音楽に一杯詰まっており、このグループの特徴がよく表れている佳曲です。
古川展生作曲・妹尾武編曲の「My Little Song」では、古川による「自分が自分自身であった事をあらためて気付き、純粋な喜びが感じられる」というメッセージが伝わってきます。日本の故郷を思い起こすような郷愁が音楽から漂っているのを感じます。
藤原道山作編曲の「瀧〜Waterfall〜」は、日本的なものがインターナショナルなものへと変化し昇華する過程を聴いているかのようでした。音楽ジャンルの分類という枠組みや範疇に納まることなく、悠久の時を越えて蒼穹に融け込むような広がりを感じさせます。
カタロニア民謡「鳥の歌」は、編曲者・井上鑑のチェリストだった父親がコンサートのラストに弾いていた曲だそうで、万感の思いが音楽に込められています。古川の悲しい音色に心が動かされました。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番第2楽章」を3人だけで演奏しているわけで、その試みと同時に、高い完成度に驚かされました。
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