正義感が強く不器用だが居合いの達人である部屋住みの主人公が、妖怪達に拾われ彼等の暮らす場末の長屋に厄介になるが、そこを地上げしようとするヤクザ、その黒幕相手に妖怪達と共に大暴れ。 妖怪達も面白いが、怒ると町中でも薙刀を振り回す主人公の姉や、お人好しのヤクザなど、登場するキャラクターにコミカルで面白い者が多い。 ラストを読むと、これ一冊で完結している感じだが、続編希望。妖怪達と主人公の絡みやドタバタをもっと読みたい。
とにかく読みやすい文章!さっぱりと。それなのに、頭の中で、竜之進が大活躍しています!新しいヒーローの誕生!仲間がどんな奴で敵の妖怪がどんなやつか、何故か映画のように浮かんできます。これは、シリーズ化されて映画とかテレビで放送されても楽しいかと思います。 登場人物にまた会いたい〜。
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スコッチ・カースン「ルイジアナの魔犬」 山田章博の扉絵が良い。ティンダロスの猟犬と戦う話だが、M−16の射撃で射殺出来るとは知らなかった。ティンダロスでなら殺す事も可能だろうが、こちらの時空では物理法則が異なるので不死身に近いかと想っていた。 魔犬の原題はHellhoundsとなっているが、実はクトゥルー神話ではティンダロスの猟犬とは別の存在がこう呼ばれる事もあるらしいので、少々厄介。だが、ティンダロスから来ていると云うし、球体の部屋(つまり角度が無い)が出て来たりするので、矢張りティンダロスの猟犬なのだろう。 ティム・クーレン「沼地を這うもの」 楢喜八さんの扉絵が良い。ホジスンの「異次元を覗く家」も妙に軽いイラストに変えられてしまったし、この人の挿絵をハヤカワSF文庫に復活させて欲しい。 作者は近年ラヴクラフトの「狂気山脈」の続編にその続編を長編で出しているが、その内容はアメリカ大作映画風で文庫で上下二分冊で出る割にはボリュームが感じられずアッサリ読めてしまいあまり中身も印象に残らない・・・と云った作品タイプで、下品な罵り言葉を多用した会話や、「狂気山脈」で滅び行く哀れな種族だったOld Oneを只の悪役にしてしまったりで、シリーズとしては今も続いているがあまり好きになれず、又、ヒアデス星団へ向かった宇宙船がとある惑星で発見した異星人の廃墟でハスターらしき存在に遭遇し襲われる短編も知ってはいるがそれ程好きになれるものではなかったのだが、この作品はまるで違う。ラヴクラフト作品の要素がふんだんに取り入れられていてオマージュとして良く出来ている。どうやら幅広い作風の作者らしい。一筋縄では行かないな。 グリン・バーラス&ロン・シフレット「ウェストという男」 作者の一人シフレットは、クトゥルーのセミプロジン界では名前の通っている人物で、書き手としてはオカルト探偵ものが得意で、シリーズ・キャラクターも居るが、中でも20世紀前半のアーカムを舞台に、インスマスのレストランでウエイトレスをしていたアーカム美人を秘書にした古き良きパルプノワール風の探偵のシリーズが面白い。 本作はハーバート・ウェストを悪役に「いかにも」な感じの軽妙な文体で進むオカルト・ノワール。 レイフ・マグレガー「ダイヤー神父の手紙」 キリスト教の反進化論論者達を書簡のみで構成した抱腹絶倒の小品。真面目に書簡の内容を読んで行くといきなり・・・ サイモン・ブリークン「扉」 ドリームランドものをも想わせる様な短編。真相は構成からすぐに予想がつくものの、美事。 ロバート・E・ハワード「矮人族」 ハワードのピクト人もの。初期の作品らしいが後に原稿が一部失われた状態で発見され、そのまま発表されたものの翻訳。途中が抜けているが、それでも作品の魅力は損なわれておらずハワードならではの迫力がある。メインとなる兄妹の姓がコスティガンだが、ハワード作品の主人公には幾人ものコスティガン(男性)があり、本作の主人公である兄のコスティガンが、それ等のうちの一人なのか、新たなコスティガンなのかはよく判らない。 ラムジー・キャンベル「コールド・プリント」 「暗黒星の陥穽」ではヰゴローナクと表記(福岡洋一:訳)されているイゴローナク自体が登場し、アイホートの名前が初登場する作品。 自己中心的な雰囲気を漂わせる本好きの主人公がイギリスのブリチェスターで(町の真ん中で)遭遇するクトゥルーものにしては珍しいクリスマス・シーズンの作品。イゴローナクが人間大の存在でしかも自分の司祭を自らスカウトしており、人間との会話も可能な事から、寓話的な都市奇談と云った趣がある。 朝松健「The Faceless City #1 狂雲師」 星辰が元に戻りクトゥルーが覚醒した後のアーカムを舞台にしたハードボイルドな雰囲気の作品。連作となるらしいが、主人公が神野十三郎・・・って、逆宇宙シリーズ二作で主役の一人だった?これは続きが楽しみ! コリン・ウィルソン「魔道書ネクロノミコン 捏造の起源」 筆者が執筆したネクロノミコンの執筆裏話。笑った。ジョージ・ヘイがL・ロン・ハバートの一番弟子だったと云うのも初めて知った。 西崎憲のエッセイや、立原透耶、鷺巣義明と云った諸氏のコラムも面白かった。 マット・カーペンター(!)のクトゥルー・インフォメーションも、こんなのが出ていたのか、と云った感じで実に有用。 さて、次回、夏の号は6月半ばの発売予定。今から楽しみだ。
今回はヒロインであるおコン中心・・・である様な、ない様な・・・ 狐に変身出来る狐憑きのおコンに、狐だと名乗る男から、お前は人間に混じった狐の細作(スパイ)で術で一時的に人間だと想わせられているだけだと云われるが・・・ 狐の陰謀が江戸に三大妖怪を出現させ、更に狐の軍勢が江戸城を狙う!この危機に夢幻組の面々が上司の白井若狭守や大岡越前らの助力も得て活躍!果たしておコンは本当に狐の一味なのか・・・などと書くと一見シリアス風だが、本作は正真正銘、間違いなく、純然たるコメディ。スーパーマンのパロディ迄飛び出す大江戸スラップスティック・アクション。 おコンの超天然ぶりと、狐のド間抜けぶりが大爆笑!作者の筆がますますノリまくっていて、次回が更に楽しみ!
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