1 第一発見者 2 巻きぞえ 3 反対運動 4 行旅死亡人
5 二番目の妻 6 ひき逃げ 7 解剖実習
7編の短篇ミステリー
女性心理を描かせたらとても上手い作家さんなので新作が出ると
欠かさず読んでいます。
今回もどの短篇も読みやすく又女性心理も巧みに描かれていて面白かったのですが、
最後の一行がワンパターンな事と、どれも今ひとつスパイスに欠けていて
物足りない感じが残りました。
最近読んだ小池真理子さんの短編集
『Kiss―接吻』があまりにも完成度が高くで感動した後だったので余計かも知れませんが。
最終回前の展開に、少し着いていけなくなりそうになりました。突然風向きが変わった様な気がして、混乱してしまったんです。ヒロインが最終回前に死んでしまったのが、個人的に一番痛かったです。まぁ、あれはしょうがなかったんですけど…。でもそれなら話数を一話減らすとか、広末さんの都合に合わせる様に工夫して欲しかったです。それで無くても、豪華絢爛なキャスト陣を起用しているんですから。最終回で回想の中にしか登場しないヒロインなんて…寂し過ぎる…。本来死ぬ予定に無かった彼女を死なせてしまった為に、これまでの展開に矛盾する部分が生まれてしまっています。主人公は彼女を庇って刃物で刺されたのに…。志摩野さんとか完璧ムダ死にです。これさえ無ければ…私にとっては最高のドラマになる筈でした。
ほんとうのシチュエーションで書かれたものもあるのだろうが、 「人間でないことがばれて出て行く女の置き手紙」みたいにありえない設定の手紙もあり、 また、それがよくできているのでおもしろい。 「一方的に自作小説を送りつけてきたファンへの手紙」などは実際に投函されたものなのかもしれないが、 言葉の使い方、構成など巧く、もしかして、参考になるかも。
まさにサイコ、主人公は違う人物なのに母強しと言う感じの展開の話でした。子を思う母親はどこでも同じ、親バカって怖すぎる、そんな感じの小説です。
よくわかりますよ、この母親の気持ち。 生まれ変わって来て欲しいもの。 でも、自分は子宮に病気がありたぶん妹としても、弟としても 愛するわが子は自分の子としては生まれ変われない。 この辺はすごく読ませる文章だと思いました。
容子は、別に生まれ変わったわが子を育てたいわけじゃないと思う。 ただ、最後にあったように謝りたかったのでしょう。 自分を責めて責めて、決して許してもらいない今の状況から抜け出したかったんだと思う。
だからこそ、ひき逃げ犯人の登場は唐突すぎたし、 一気に加奈子の記憶が抜け出ていくのも不自然だし。 他人の子、とあっさり割り切れたラストの容子もとってつけたようで残念だ。 もう少し、生まれ変わりの話を引っ張って欲しかったな。
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