既刊の『始動編』に続く、『偽書ゲッターロボダークネス』再始動の第1巻。
本巻ではゲッター1とそのパイロット、了(リョウ)を中心に物語が展開します。
掲載誌が変わった関係で、とにかくエログロがえげつなく描かれており、前作までの『始動編』とは大きく毛色が変わってしまっています。
その上、主要キャラクターは少年誌の頃のままなので、年端もいかない少年少女をこんな色欲と暴力の世界に晒しておいていいものか、読んでいるこっちがハラハラしてしまいます。
ゲッターロボファンの間でも、これはかなり物議を醸しそうなところ。
肝心のロボット戦はなかなか迫力があって良かったと思います。
しかし、一つだけどうしても看過できなかったことが。それは、クライマックスに登場したゲッター1のもう一つの姿です。
そもそもゲッターロボは、3機のゲットマシン、3人のパイロット、そして合体による3形態のスーパーロボットという、個性の異なる3つの力を駆使して戦うことにカタルシスがあると思うのです。
そこに第4の形態とも取れる「漆黒の奪還者」を投入するのは、ストーリーの展開的には盛り上がると思いますが、旧来のゲッターロボファンとしては俄かに受け入れ難いところがあるんですよね。
とはいえ過去に映像化された作品でも、TVアニメ『ゲッターロボ號』のGアームライザーや、OVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の神ゲッターロボなど、ゲッター1のパワーアップした姿も描かれていますから一概に悪いとも言えませんが。
良くも悪くも石川版『ゲッターロボ』に捉われない、全く新しいゲッターと考えればこれはこれでアリなのかもしれませんね。
今回も安定して面白かった。 新シリーズになったばかりなので、頑張って続けてもらいたい。 ただ、少しマンネリ気味かも。
全巻を通しハヤトが主役で彼の過去からゲッターチームに加わるまでが
明らかにされています。
帯に「永井豪先生激賞ッ!!!! 暴走ハヤトがスゲェー!!」
とありますが、前半の暴走ぶりはすさまじいものがあります。
後半、自分を裏切りイデアになったかつての仲間との対決で締めくくられます。
このくだりはゲッターロボGの「魔王鬼」編のオマージュですね。
巨大イデアも名は「マヲウ鬼」。外見、攻撃方法も似ていますが、
精密な描写で描かれているので迫力満点です。
他にも「革命」「ハヤトの軍」「顔への攻撃」など原作隼人に共通するところも多々見受けられます。
惜しいのは、原作ゲッターでのエキサイティングな「操縦者狩り」が描かれてません。
ハヤトはボロボロの状態でゲッターチームに拾われてます。
このシリーズは今のところ1巻ごとに話が完結しているので、
ストーリーが盛り上がったところで続きはいつ出るかわからない次巻へ、、、
というイライラがなく良いですね。
次巻は「ムサシ編」だそうです。
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