「たとえ他人から『何をやってもうまくいかないやつだ』などと誹謗されたとしても、『いや、自分はこれでいい』と心から思うことができれば、すっきりと解決できるような気もします」
この本に出てくる人たちは私と同じ。文章で自分のことを説明されてる感じがして、読んで自分のことを確認してるみたいでとてもすっきりした。
大人の発達障害に関する本は、最近たくさん出てくるようになったけど、この本は私にとっては、かなりしっくりきて、とてもよかった。
ADHDじゃなくて、広汎性発達障害やアスペルガー選りの本。
前著とは違い、ボーダーにいる子供達の両親(特に母親)の苦労話や楽しかった話がインタビュー形式で書かれ、それに対して山下セイジ氏がコメントを付け加える形で本が成り立っている。 外から見える障害と違って、発達障害の子供達はそれとは分からない。その事が、かえって両親に余計な負荷を与えているような気がする。 この様な、文章を書いている私も実は「躁鬱病」で職場を退職せざるを得なかった。気分が良くて散歩していると回りからは「サボっている」としか見られない。この様な病気にならなかったら、この本を今の様に読み込めなかったと思う。
「自分だけじゃない、多くの人が同じように悩んでいるんだ」と気付かせ、元気付けさせる素晴らしい1冊だと思う。
専門書ではなく、解説書でもない。
今はもうなくなってしまった学校に通っていた生徒たちのインタビューで構成されている。制度と状況の変化の波に飲み込まれて消えてしまった学校の紹介が第一部。
第二部が生徒だった人たちの中から6人、生き生きとした様子がインタビューを通じて描き出されている。
LD(学習障害)、アスペルガー障害、軽度知的発達障害、ディスクレシア(難読症)など。
精神医学的に問題があるかどうかではなく、こういった発達に関わる領域は、一人ひとりが困っているかどうか、その人自身が問題なく生活や人生をやっていけているかどうかが、問題なのだと思う。
障害の種類を知識として身につけることは大事ではあるが、この本では障害の名づけは横に置き、彼らが何を感じ、何を考え、どのように生きているのか、実際の様子が見えてくる。
一生懸命に生きているのに、どうしても不遇をかこつ現実が見えてくる。
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