参考価格はあくまでも参考としても 購入価格から見て高級感もあり 使い始めて1週間ほど経ちますが使いやすく問題もないです
元気がでます。23文字以上入力ということですか、さて。。。。
映画造りの現場の「地獄」を知るには 本書は実に向いている。 日本の映画は低予算、短期間での製作で 現場の時間の無さ、不眠不休の撮影などは大変な過酷さである点は 以前何かで読んだ。それに対し 「地獄の黙示録」はハリウッドの大予算映画であり 監督もコッポラである。余裕しゃくしゃくで撮影していたのかと思ったら もう どろどろで溜息が出る。これだけで十分映画になれると思った次第である。(そういえば 見ていないが ハートオブダークネスというドキュメンタリー映画があったか?) 本欄で「ファイナルカット」という マイケルチミノの「天国の門」を扱った本と並び 映画を別の意味で知るには 優れた本である。 それにしても映画は大好きだが 映画が仕事でなくて良かった。
戦争映画として観ると戦闘シーンはへなちょこで物足りないが、ドラマとして観ると面白い。観終わった後にはチャーリー・シーンの父親のマーティン・シーンのファンになっていた。エンドにドアーズの「ハートを火で燃やせ」・・じゃなくて「ハートに火をつけて」をながして私兵団と北ベトナム軍との戦闘がある予定だったのにそれがカーツ大佐のせいでオジャンになったらしくて、変な終わり方だったのが玉に傷か。
この映画は昼と夜だ。一見飾り立てた闇とネオン渦巻くニューヨークのもうひとつの顔。その中で蠢き、もがくしか出来ないトラヴィスは昼に生きられない哀しい男。勿論シビル・シェパード演じるベツィが昼でジョディ・フォスター演じるアイリスが夜なのは言うまでもない。ベツィに惚れたのはトラヴィスの昼に対する憧れを象徴的に表している。体を鍛え、銃を手にしたトラヴィスは「You talkin' to me?」の有名なセリフの通り自信に満ち溢れたが、結局その自信も光輝く昼にはもろくも打ち砕かれる。やむなく彼は汚物を浄化すべく夜の街へと銃を向けるのであった。彼の功績はアイリスを昼の世界へ戻した、これだけであるが人に誉められた事など無いであろうトラヴィスはアイリスの両親からのこの上ない感謝の手紙に少しは心が潤ったのではないだろうか。ラストのベツィをタクシーに乗せるシーン。「おいくら?」と尋ねるベツィににっこりと頷き、「So long!」とだけ言って走り去るトラヴィス。言葉にするのがはばかられるほど哀愁が漂う名シーンである。かくの如く昼と夜は交わらないのであった。
|