LPレコードでは持っておらず、BMGのトスカニーニ・コレクションで購入しました。1枚が1,200円でした。
世間の評判で有名な録音です。そうした先入観をできるだけ取り除いて聴いた所、引き締まっていて、演奏時間より長く感じる濃い演奏です。聴き終えて、演奏時間を確認した位です。
トスカニーニのコンタクトの最初は、娘婿のホロヴィッツのピアノによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。こちらはライブ録音のため音質的に何も言えませんが、この録音は、モノラルの中でも良い方です。充分鑑賞に堪える音です。
もう4〜5年生きていてもらえれば、ステレオ録音も可能になったでしょうと思います。
こう思うと、LPレコードで持っている、トスカニーニ追悼のワルター指揮シンフォニー・オブ・ジエアーのベートーベンの交響曲第3番「英雄」を聴き直したくなります。ワルターがトスカニーニ的に振っているので。
いまだこれを超える演奏に出会っていません。残念なのとトスカニーニの凄さが判ります。
トスカニーニの演奏スタイルは、現代でも通用する物だと考えています。
ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団の1976年録音のレスピーギは、個性的な響きに裏打ちされた既成概念に囚われない解釈なのだが、なんといっても随所に重ねられたパイプオルガンの低音の響きが、他の指揮者の演奏するディスクのおよそ2倍くらいの大きさで響いてくるというところだろう。その結果「こんなところにもパイプオルガンが」という驚きをたっぷり味わうことができる。しかし、それ以外にも「祭」の「十月祭」でのキビキビした弦楽器や、「松」の「ボルゲーゼ荘」での打楽器の響きなど、ジョージ・セル薫陶の影響がまだ残っているクリーブランド管弦楽団の妙技を聴くことができる。……「金鶏」も二曲目のいかにもロシア臭い雰囲気など、なかなか楽しめる。
様々な文化的、社会的、政治的差異を持つ人びとを制度的不平等感を与えずにに共生させることは可能か――この問いに対して世界の第一線で活躍する研究者が深淵な議論を繰り広げる。結論を再起に言えば、可能か可能でないかではなくて「わからない」というのが本書を読んだ結論である。しかしこの「わからない」という結論を出すまでの現実分析の鋭さや、解決のための仮説への批判や支持の応酬などの険しい道のりこそ、本書の醍醐味である。ただハーバーマスの議論がわかりにくいという点を除けば、知的ごろつきには刺激的な本であることは間違いない。
|