音楽史のポイントが要所で押さえられている良著。
作品周辺の歴史的な背景を知ることで、好きな作曲家以外にもいろいろと聴いてみたくなる。
内容としてクラシックファンに媚びていない雰囲気があるので、初心者のガイド本としては手強いと思う。
中世の音楽に多く紙面を割かれたり、ブルックナーが載っていなかったり。
CDや映像作品の紹介も、売れているかどうかは別として、特徴を表す尖がったものが多い。
この辺り、筆者のポリシーが強く感じられた。
流れや歴史という意味では、同氏による「西洋音楽史」のほうが内容が濃い。
だた、あちらはやや教科書的なので、読みやすさは本書のほう。文章も明瞭で分かりやすい。
クラシック音楽の聴き方を、また違った角度から捉えるきっかけになる1冊。
また、本書から音楽史、ひいては西洋史へと興味が広がるかもしれない。
2011年5月録音という最新の録音技術とSACDによる、音の分離、音域、ダイナミックレンジが素晴らしい。しかもミュンヘンの3楽団3合唱団が日本の東北大震災支援のために協力した類希なチャリティ合同演奏ということで、「総ての人は友達」の大合唱に会場の熱気が伝わってくるようだ。指揮者のズービン・メータは震災時に日本にいて、日本人の冷静さに感動したという。指揮も申し分ない。フルトヴェングラーのSACDを含め数枚の第九を持っているが、私的には本製品がダントツである。売上げの一部は被災者支援に向けられるとのこと、ささやかな支援に参加することができた。
発売日に買ってから狂ったように聴きつづけていました。
単音のちょっとした陰影のつけ方がたゆたうようというか儚い感じ。急速楽章の優雅な疾走感。音色の弾分け。きらびやかな音色から固めのヴァイオレントな音色まで使い切って官能的で繊細かつ力強い演奏です。
ギターをホント鳴らしきっている感じて、今更ながらギターによる表現力に目を開かされます。やはり繰り返し聴きながら「よくぞここまで・・・・スゲェ」と何度も唸ってしまった。特にソナタ三番は何度聴いても奇跡が起きているような錯覚を受ける。とにかく演奏の自由度が高い。楽器と戯れている山下氏をCDを聴きながら自然と思い浮かべてしまう。
氏の演奏のいいところというか氏が思い描いている演奏がかなりのところ再現されているんではないでしょうか。
オリジナルのヴァイオリン演奏では好きになれなかった楽章が山下氏の演奏で好きになってしまったりもした。当代随一のギター奏者!!!
今回このCDを見つけたのは、全くの偶然でした。
なんの見当もつけずふらっとCD屋さんを物色し、気まぐれに視聴したのがこのアルバムでした。
でも聞くなり虜になって、すぐに購入を決定。店員さんに聞くと残り一つだったので危なかったです(笑)
買った時は高いかな?と思ったけど、聞いてみると本当にお得です。
2枚組みってだけでなく、クラシックが好きな方にも、ラップが好きな方にも、もちろん浜崎あゆみが好きな方にも、色んな人にとって色んな楽しみ方ができるとアルバムだと思います。
洋楽もクラシックもCDが欲しいと思っていた私にはぴったりでした。
買ってから何回も聞いています。
クラシックとロックって、合うんですね。新しい発見でした。
classic flavorsで起用している曲はどこかで聞いたことがあるフレーズのクラシックを使っていますが、かっこよく、独自の曲調に仕上がっていると思います。
個人的には大好きなPrideが英語版で聞けて嬉しかった。いつか英語で歌えるようになりたいと思います。
もともとファンだった方には怒られそうですが、初めてsweetboxのことを知りました。
もっと知りたいと思います。
とにかく、本当にお勧めです。
1981年4〜5月に収録。グールドのゴルドベルク変奏曲の映像と言うことで極めて価値有るものである。その上、カメラのアングルが非常に良くて、グールドの運指だけでなく表情・ピアノのセッティング→有名な椅子の位置、ピアノと対する時の腕との相関関係、そして演奏されているピアノの『様子』を余すところ無く伝えて、そこだけでも充分に手に入れ見るに値するものだと思う。
演奏もさることながら、驚いたのは演奏されているピアノの『様子』だった。鍵盤の真ん前の板は外され、メーカー名が判別できない状態になっている。が、他のレビューアも指摘しているがピアノがヤマハなのが分かる。グールドが最後に到達したピアノがヤマハだったのに非常に感銘を受けた。
思い出してみると、演奏の前にグールドがこだわったのはピアノである。デビュー以前からグールドが愛用していたのはシムコー湖畔の別荘にあった1895年ボストン製のチッカリングだった。このチッカリングというピアノはハープシコードに限りなく近い触感と即時性を持ち、キーの沈みとアフタータッチとの間に微妙な均衡があったと言われている。この『触感』にグールドは生涯こだわる。1955年1月にデビューした時はニューヨークでスタインウェイCD174に惚れていた。グールドはCD174にあの『触感』を蘇らせようと鍵盤の表面をざらざらにしキーの沈みを浅くした。苦労して作ったこのピアノは1957年3月運送業者のミスで破損、1960年地元トロントのイートン・オーディトリアムに置いてあった1938年製のCD318に到達する。『インベンションとシンフォニア』は、このピアノで録音されているのだが、レコーディングは1963年9月18日にスタートしたのだが、グールドがその『触感』が気に入らずピアノの調整を続け、6ヶ月後の1964年3月18・19日録音となったという。
そしてこのピアノを眼で見、そしてそれを弾くグールドを眼で見、鍵盤の真ん前の板は外されたこのピアノの出す音に確信する。そういう裏付けのような存在にこのDVDはなっている。
ロック・ミュージックならハイラム・ブロックのストラトや自作したレッド・スペシャルを弾くブライアン・メイなど自分の楽器を極限までいじり倒すミュージシャンは多い。しかし、クラシックの世界でグールド以外にここまでのこだわりを持っていたミュージシャンは皆無だろうとおもう。そういうところも唯一無二の存在だったのだと感じる。
余談だがこのあたりの状況はギドン・クレーメルの著書『琴線の触れ合い』の中にも登場する。興味のある方は一読をオススメする。
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