感動の来日からもう1年以上経ったんですね。SMiLEの深層(真相)を知るにはぴったりの本だと思います。序文のブライアンの言葉「スマイルに関して知りたかったほとんど全ての事をこの本は教えてくれる」。聴きながら読むか、読みながら聴くか...。再びSMiLE熱が(^_^)
選曲の基準は良くわかりませんが、40歳に近付く私が慣れ親しんだ洋楽ですので、楽しく、ラフに弾き語るのには適しています。何せ曲数が多いですから、友人と盛り上がるも良しです。「何でこの曲をギターで弾き語り?」というのもありますが、それも曲数が多いので許せます。イントロなどのアレンジはいまいちのところもあります。中級者が自分のスタイルでギターを弾いて遊ぶ分には良い本だと思います。
また歌いたくなってきました。では、ごきげんよう。
全体のトーンも穏やかで、非常に完成度の高いアルバム。
室内楽風の響きを全曲に漂わせ、品良くまとまっている。
第1曲の「パーティーが終わったら」からして、
このアルバムを最後まで聞きたいと思わせる、穏やかかつさっぱりした曲で、
掴みはOKという感じ。
彼女の代表作「17才の頃」は、少し内省的過ぎるところもあるが、
抑え気味で演奏される金管楽器もとても大人っぽい。
一番のお気に入りは「約束事」と表題曲「愛の回想録」。
「約束事」は、ライブバーで演奏を聴いているかのようなジャジーな響きに、
ハスキーなジャニスの熱唱がよい。曲が一度終わったかのように見せて、
最後の1節を歌うあたり、本当によく考えてある。
「愛の回想録」は凍てつくようなピアノ伴奏で始まり、
本当にシビアな愛の歌という感じ。
盛り上がる部分のジャニスの熱唱も凄いし、
木管楽器を使って、まるでサーカスのような雰囲気を醸し出していて、
曲が悲惨で悲しい内容に終わらせない。
曲の終わりに向かってテンポが速くなっていく感じも切迫感があっていい。
「置き手紙」のテンポ感、、
まるでドラマの1シーンを見ているかのような「冬の部屋」、
切々と歌い込まれたジャニスの歌に感動する「思い出の水彩画」、
フォークソングのような明るさとハーモニーがまた印象深い「灯りを下さい」と、
本当に高水準の歌が連なっている。
堂々とアルバムをしめる「愛する人の子守歌」も感動的。
前半のゆったりとした4/4拍子、
夜の静けさにむけて踊り出していくかのようなワルツのリズムの後半と、
辛い内容のアルバムであるにもかかわらず、何かほっとしたような終わりが印象的。
ジャニスのアルバムでは何を置いても持っておくべきアルバムだと思う。
だんだんと温かく春めいてきたこの時期、ドライブで窓全開で聞いたら最高っすよ!!!とにかくかっこいい!!!
僕が洋楽ポップスを聴き始めた1979年頃には、ジャニス・イアンは既に過去の人になり始めていて、その名前だけは知っているものの、作品それ自体については深く知ることもなく今に至った。でも、多くのミュージシャン、シンガーの方々から絶大なるリスペクトを受けているということはよく知っていたので、いつか訪ねてみたいアーチストだとは常々思っていた。 で、今回、たまたまこのベスト盤を聴く機会があったので、やっとこさその音楽に触れられることになった、というわけです。
70年代前半には、彼女のような女性SSWの黄金期があって、それぞれに傑作シングル、アルバムを発表し、商業的にも成功を収めていました。 ジョニ・ミッチェル、カーリー・サイモン、キャロル・キングetc・・・ そうした中にあってジャニスというのは、僕の持っている印象だと、そんなムーブメントの最終ランナー的存在であり、この後ロックバンド/アーチストのカミングアウトを中心としたソフトロック/AORブームの勃興〜大成功という路線への移行期の、その狭間でグラミーを獲得する等の活躍をした人だったという認識であります。 したがって、本作でも伺えるように、彼女の楽曲というのは、AOR的甘々感、並びに産業ロック/ポップ的媚び媚び感とは無縁の、ピュア&ストイックなものであり、所謂ヒッピー/フラワームーヴメントの残り香をそこはかとなく漂わせるものとなっていると思います。 それはリリックの面でも如実に顕れていて、そこには思想性の高い崇高な世界観が展開されるものとなっています。 つまりは、彼女の作る音楽には生半可な妥協はなく、一本筋が通っているということなんだと感じました。 そういった一徹さが、恐らく本国においては、一発屋的なアーチスト、過去の人的な存在に甘んじさせる要因となってしまったのかもしれません。 70年代後半というのは、とにかくシーンの産業化が物凄い勢いで進んだ時期であり、そんな中で彼女のような頑固なミュージシャンたちの多くが「時代」という名の篩にかけられたという側面は、あったと思います。
このベスト盤は、そんなジャニスのディープ&コアなスピリットをぎっしり封じ込めた好盤になっていると思います。 アコースティックなフィーリングの演奏スタイル、ハートフルでピースフルな歌心等を中心に展開しつつも、決して大衆迎合はしないという強靭さ、骨太さを強く印象付けられます。 ただ、僕のような初心者向けには、もう少し楽曲を時系列に分かり易く配置して欲しかったり、スタジオ録音中心の選曲にして欲しかったり・・・という希望も無くはなかったのですが、収録されている各曲自体については、文句のつけようもありません。 彼女の音楽に出会えて良かったと、思っています。
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